【映画大賞】宮沢氷魚〝俳優1本〟決めた年の最後に…30代前に「自分の心の声聞く」/ロング版

石原裕次郎新人賞を受賞し笑顔を見せる宮沢氷魚(撮影・たえ見朱実)

第36回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)の各賞が、先月27日の配信番組および28日付の紙面で発表されました。動画や紙面でお届けできなかった受賞者、受賞作関係者のインタビューでの喜びの声を、あらためてお届けします。

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宮沢氷魚(29)が、映画「エゴイスト」(松永大司監督)や「はざまに生きる、春」(葛里華監督)で石原裕次郎新人賞に輝いた。「エゴイスト」では鈴木亮平(40)も主演男優賞を受賞。石原裕次郎新人賞には100万円が贈られる。

「エゴイスト」では、鈴木と互いに引かれ、愛し合う2人を演じた。その中で「そこまでのレベルで役が自分に入ってくる感じは初めての経験」と、役として生きる俳優という仕事において、究極とも言える体験をした。一方「はざまに生きる、春」では、自らの主演映画の企画と脚本を募集する映画製作者発掘プロジェクトで審査員を務め、企画を選ぶなど製作に主体的に関わった。

宮沢は、3月に「メンズノンノ」(集英社)専属モデルを卒業し、俳優1本で生きていくことを決めた大事な年…23年に、昭和を代表するスター石原裕次郎さんの名を冠した賞を得たことの喜びと意義を語った。また、4月24日の誕生日で突入する、30代のビジョンも明かした。

-俳優1本で生きていくスタートを切った23年という年の最後に、かけがえのない2作品で受賞した。本当にいい1年になった。

「その通りです。もちろん、自分の中で過去、やってきて、そのまま1年が終わってしまったような年は、もちろんあるし。そういう時の悔しさは、もちろん翌年に繋がるので、そういう年もあっていいと思うんですけど。1年の最後に自分の頑張り、関わってくれた皆さんの頑張りが評価されると、本当にやってきてよかったと純粋に思うので。それに勝るものなんて、なかなかないんですよね」

-「はざまに生きる、春」では作品選びから公開前後の宣伝まで関わった。

「僕達、俳優やプロデューサーは与えられた脚本があって、そこで初めて(脚本に)乗っかって変えていったり作品にしていくお仕事。脚本家は、何もないところから作品を作り出す。やっぱりすごいと思った。よく『本が良ければ作品が良くなる』って、皆さん、言うじゃないですか? 本当にその通りで。どれだけ演出、役者、宣伝が良くても、ベースにある本が弱いといいものになりづらい」

-今回の受賞を受けて、今後、やってみたい作品や組んでみたい監督は?

「今までご一緒したことのない監督さんと、ご一緒したいという思いは、もちろんあるんですけども、自分の中では1度、ご一緒した人と、また出来るというのが、とても大きな喜び。ドラマではあるんですけども、映画ではない。自分を必要として、呼んでくれるのもそうだし以前、関わった時の自分から、時がたって成長を見てもらえる機会でもあると思うので」

-具体的には、どの監督と再タッグを組みたい?

「例えば(20年の初主演映画)「his」の今泉力哉さんとは、また出来ればいい。それに、松永大司さんとは絶対に1回きりじゃないと思う。お互い経験して、また良い作品を作れたらいいなと思います」

-4月で、いよいよ30代。20代を振り返って

「20代は全力で走って、いろいろな作品に関わらせてもらった。良い経験も悪い経験もあったり、つらい時期もあった。自分をプッシュしなければならない時期もあって…体もそうかも知れないけれど、心が傷ついたりする時もあるので」

-30代は、どういう生き方をしていきたい?

「やっぱり、自分を、もっと大事にしたいなと思いますね。仕事だったら自分の活動、プライベートだったら自分の時間を大事にして、心と体のケアをしっかりしたい、というのが1つの目標。絶対、その方が全てにおいて、健康的な取り組み方が出来ると思うので。仕事も、さらにクオリティーの高いものが出来るようになると思うし。もっと自分を褒めて…自分と対話するというか、自分との心の声を聞きたいです」

今回の受賞で、俳優1本で生きていくと決めた23年が、記念碑的な1年になるのでは? と問いかけると、宮沢の顔全体が、ひときわ輝いた。

「そうなるといいです。(受賞は)絶対に忘れません」

石原裕次郎の名が刻まれた賞を背負った今、宮沢はこれまでの人生と自らの心と向き合う。その先に広がる俳優道の一本道を、真っすぐ歩んでいくために…。【村上幸将】

 

◆宮沢氷魚(みやざわ・ひお)1994年4月24日、米サンフランシスコ生まれ。15年、メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリ。17年TBS系「コウノドリ」で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説は20年「エール」と22年「ちむどんどん」。舞台は「パラサイト」など。184センチ。

 

◆エゴイスト 田舎町でありのままの自分を隠していた浩輔(鈴木亮平)は、東京の出版社でファッション誌の編集者として自由な日々を送っていた。パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と引かれ合い満ち足りた時間を重ねたが、ドライブに出かける約束をしていたある日、龍太は姿を現さなかった。

 

◆はざまに生きる、春 雑誌編集者の小向春(小西桜子)は仕事も恋もうまくいかない日々を送る中、青い絵しか描かないことで有名な画家・屋内透(宮沢)と取材で出会う。思ったことをストレートに口にし、感情を隠すことなくうそがつけない屋内に戸惑いながらもひかれていく。