【悼む】小金沢昇司さん「演歌なのに」と言われ憤慨 病乗り越える情熱は、まだまだあっただろう

小金沢昇司さん(2018年1月撮影)

<悼む>

演歌歌手小金沢昇司(こがねざわ・しょうじ)さん(本名同じ)が11日、神奈川県内の病院で呼吸不全のために死去したことが15日、分かった。65歳。神奈川県大和市出身。所属レコード会社が発表した。92年にのど薬のCMで「歌手の小金沢くん」としてブレークし、お茶の間の人気者に。昨年が歌手生活35周年の節目だった。葬儀はすでに近親者で行った。

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なぜ、そんなに早く逝く。病を乗り越える情熱は、まだまだあっただろう。

小金沢さんは神奈川・大和市の実家のラーメン店で、出前の手伝いをするために、16歳で大型二輪の免許を取った。仕事を終えると、藤沢街道を江の島まで何分で走れるかを、仲間と競った。ローリング・ストーンズや、キャロルの矢沢永吉を聴く青春だった。

歌手になり「演歌なのにキャロルを聴くんですか」「演歌なのにサーフィンが趣味なんですか」と言われ憤慨した。「演歌歌手は10代でも70代でも同じと思われている。おかしいですよね。僕はプロとしてすべてのジャンルを歌いたい。だから『歌手の小金沢』でありたい」と熱く話した。

のど薬のCMでブレークした時、恩師の北島三郎に「この世界は本人に運がないとダメなんだ」と言われた。「錯覚するな」という教えだった。歌心も学んだ。「悲しい歌ほど笑って歌え。そうすればお客さんは笑いながら泣く」。それらの教えを真摯(しんし)に守って歌って来た。

北島だけでなく、「ありがとう」の感謝を伝えなければならない人は数多くいたはずだ。きっと、それが無念だったと思う。【笹森文彦】