昨年9月に83歳で亡くなった歌舞伎俳優市川猿翁さん、同5月に76歳で亡くなった弟市川段四郎さんをしのぶ「澤瀉屋 送る会」が28日、都内ホテルで行われた。猿翁さんの長男市川中車(香川照之=58)が取材に応じ、段四郎さんの長男でいとこの市川猿之助(48)の近況を明かした。
猿之助は昨年、両親に対する自殺ほう助の罪で逮捕、起訴され、有罪判決を受けた。中車は「昨年のことも含め、私どものことで多大なるご迷惑をおかけいたしました。あらためまして、深くおわび申し上げます」と頭を下げた。この日の猿之助の出欠については、遠慮したい、との申し出があり欠席だったとした。
2月には東京・新橋演舞場で、猿翁さんが作り上げたスーパー歌舞伎最初の作品「ヤマトタケル」が上演され、中車の長男團子(20)が主演する。12年前に主演している猿之助の関わりを聞かれ、中車は「12年前、4代目(猿之助)が初役でつとめた時、決まり事も含め、事細かに父から聞いているのは4代目。役者として團子に下ろし、話をしてもらう作業はしていただいています。松竹とも了解を取りながらです」と明かした。團子は「澤瀉屋の代表的な作品で、思い入れのある作品。一生懸命頑張ってつとめたい」と話した。
「送る会」には歌舞伎俳優を中心に約700人が参列し、献花した。中車は、猿翁さんに初めて会った時の思い出を語り「偉大すぎて、まばゆかった」と振り返った。また、初代猿翁、先代段四郎が亡くなったのが1963年だったことに触れ「60年をへた2023年、また猿翁と段四郎は同じ年に旅立ってしまいました。澤瀉屋には父や叔父のもとで研さんを積んだ役者がいっぱいいる。彼らと60年に1度来た事変に立ち向かう」と、決意を語った。【小林千穂】