【コラム】災害復興、私にできることは…/富山詠美

液状化被害の現場で

<エイミフルな毎日:UX富山詠美アナウンサー>

「あけましておめでとうございます」。このあいさつを今年は何回言えたでしょうか。

元日夕方に発生した能登半島地震は県内にも大きな被害を及ぼし、年始のあいさつを口にするのさえ、ためらうほどの出来事でした。久々に家族や親戚が集まり食事をしていた家庭、故郷への帰省を楽しんでいた学生さん…。震災はそれぞれの大切な時間を一瞬にして奪っていきました。岩室温泉の旅館で話を伺うと、地震発生当日からキャンセルの電話が止まらないといいます。旅館自体に被害はなかったものの、1月の予約は約半分にまで減ったそうです。客足が戻るのはいつなのか、不安を口にする姿を見て、被害の広がりを痛感しました。

今日で地震から1カ月ですが数日前、液状化被害を受けた新潟市西区に取材に行き、今もなお、被害が進行していることに衝撃を受けました。地震発生直後にはなかった隙間や壁の亀裂が新たに生まれ、沈み続ける床で生活を続けている人がたくさんいるのです。話を伺った理容店では店舗が1メートル沈みこんで下水道の配管が断裂し、今も水が流せない状態でした。「少しずつ前に進めないといけない。ただ、補助もない中で見通しも立てられない」。店主の言葉にただうなずくことしかできないやるせなさを感じました。

私たちメディアにできることは何だろう。そう自問しながら「大変な状況の中、すみませんでした」と伝えると、「報道してもらうことで環境が変わることもあるから頼みます」と言ってくれました。直接の手助けはできなくても、助けを求めている人の声を発信し、知ってもらうことで役に立つこともあるかもしれない。復興までの長い道のりの中で自分にできることを探し続けたいと思います。(新潟テレビ21アナウンサー)