「はじめの一歩」森川ジョージ氏、原作者は「堂々と自分の意見を言ってほしい」

森川ジョージ氏(2019年撮影)

ボクシング漫画「はじめの一歩」の作者で漫画家の森川ジョージ氏(57)が1日、X(旧ツイッター)を更新。漫画のメディアミックスをめぐり、自身の経験をもとに思いを投稿した。

森川氏は「漫画の映像化。漫画家さんの特に新人さんに向けて。はじめの一歩は連載開始してわりとすぐに何社からかアニメ、映画の話がきました。そういうことに全然興味がなかったのでお断りし続けました」と切りだし「10年ほどして大勢で会いに来てくれた会社がありその熱意に頷き『40巻買ってくれた読者を失望させないでほしい』という条件を出しました。2話目を観てすぐに『約束と違う、今すぐやめてくれ。やめないなら僕が連載をやめる』と制作会社言いに行きました。関係者全員パニックです」と投稿。

続けて「でも自分は納得いかなかった。会議の末『必ずクオリティを上げる』という言葉を貰いとりあえずは引きました。その後素晴らしいデキになり信頼関係ができて脚本チェックもしなくなり全面的にお任せしました。本当に素晴らしかったので初代、二代目の監督にもお礼を言いました。一生懸命やってくれているのは承知の上だったので『申し訳ない』という気持ちと『納得できない』という気持ちが入り混ざり、しかし優先すべきは読者だと自分に言い聞かせ行動しました」。舞台化も条件付きで許可した経験を伝えたという。

森川氏は「あまり表に出すことではないのですがね」とし「走り出したものを止めるのはエネルギーを使うし勇気がいります。自分もあの時の心労は思い出したくもないです。他にも例があります。納得いかず本当にアニメの放映を二週間止めて話し合った作家とか。連載に支障をきたすからやめてくれと自らアニメを打ち切った作家とか。話が違うと裁判して勝訴したとか。自分は原作者が偉いなどと言いません。しかし作品と読者を守れるのは原作者だけで、その責務があります。尊敬と感謝を忘れずに、そして堂々と自分の意見を言ってほしいと思います」と思いをつづった。

その上で「原作を改変、脚色して成功した例も山ほどあります。『あそこはどういう表現になるのかな』と楽しみにしている作家が多いのも事実です。信頼関係ができた後は自分もそうでした。そもそも漫画と映像では演出方法に大きな違いがあり原作そのままというのは至難の業です。原作者を含め全員が尊敬と感謝をもって携わることが一番なのだと思います。感謝の優先順位ですが漫画家の場合、圧倒的に読者です。そのことを忘れずに。これは自分だけの主観的な意見なので一つの参考としてとどめておいて下さい」と記述。「映像化は作品を広く遠くへ届けるための選択肢の一つです。必須項目ではないですよ」と投稿した。