TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などを手掛けた脚本家の野木亜紀子氏が2日、X(旧ツイッター)を更新。昨年10月期放送の日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で、亡くなった漫画家芦原妃名子さんが訴えていた、原作者と制作サイドの齟齬(そご)の問題について言及した。
野木氏は「原作がある作品の脚本を手がける脚本家が、事前に原作者に会う/会わないの話ですが」と切り出し、「脚本家が好むと好まざるとに関わらず『会えない』が現実で、慣例だと言われています。私も脚本家になってからそれを知って驚きました。良くいえば『脚本家(あるいは原作者)を守っている』のであり、悪くいえば『コントロール下に置かれている』ことになります」と、業界の慣例について説明。ただ、原作サイドから「事前に脚本家と会いたい」という要望があった場合は別だとした。
続けて「注意)今回のドラマがどうだったかはわかりません。作品によって異なります。以下は、あくまで一般論(この12年で私が見知った範囲内)の話です」と断った上で、制作を進めていく中での脚本家と原作者のやり取りについて言及。直接のやり取りではないため、「脚本家からしたら、プロデューサーが話す『原作サイドがこう言ってた』が全てになります」といい、さらに「プロデューサーも、先生の意見を直接聞いているかというとそうでもない。半年以上に及ぶやり取りの中で、地方在住の方もいらっしゃいますし、ご自身の仕事が多忙でそんな暇ないということもある。そのため大抵は、出版社の担当者やライツを通した、伝言の伝言になります」と説明した。
こうした状況のため、双方に誤解や齟齬が生じることはあるといい、「個人的には、先生からのご指摘や感想のお手紙(メールなど)が脚本家に直接開示される状態のほうが、誤解や齟齬が少ないし、安心だなと思えます。原作の先生がどう思ったかは、脚本家としてめちゃくちゃ気になることなので。原作がある作品に携わっている多くの脚本家は、ほとんどがそういう気持ちなんじゃないかなと思います。※昔のことは分かりませんが、今この現代においては」とつづった。
また、続く投稿では「テレビ局は元々、作家の権利を蔑ろにしがちなんですよ。それは原作者だけでなく、オリジナルドラマを書く脚本家に対しても同じ。こっちは一個人で、向こうは圧倒的に巨大な組織で」と、作家とテレビ局との関係性についても指摘し、「もちろん、それじゃいかんと作家のために戦ってくれる社員さんもいます。人によるし、それができるかは立場による」とつづった。