川津明日香 仮面ライダーでモデルから女優に“変身”1年半「部活みたいな現場」で研さん

主演ドラマの感想を語る川津明日香(撮影・中島郁夫)

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女優川津明日香(23)が、今日5日開始のTOKYO MX連続ドラマ「Sugar Sugar Honey(シュガー・シュガー・ハニー)」(月曜午後10時、テレビ大阪=月曜深夜1時)に主演する。ダブル主演の相手は7ORDERの長妻怜央(25)。川津演じるホテルのベルスタッフと、長妻演じるイケメンパティシエの恋模様を描く。川津に話を聞いた。【小谷野俊哉】

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川津が演じる佐原瑞月(みづき)は、一流ホテルの実業団所属のマラソンランナー。けがで引退後、ホテルのベルスタッフとして働いている役柄だ。

「ずっとマラソン第一でやって来た。好きなものはマラソンとスイーツで、恋愛とかもしてこなかった真っすぐな女の子。28歳なんですけど、恋愛面だけはちょっと幼い面がある」

瑞月は真面目だが、空回りしがちで、仕事でも失敗が続く。

「結構、純愛路線なんですけど、コメディー要素があるのは瑞月の側。空回りしてトンチンカンみたいな。でも、言いたいことは言うっていう強い意思を持っている。その突っ走る感じとか、正義感とかは私に近いのかなと思っています」

撮影は昨年12月に終了。

「走るシーンは、クランクイン前に練習しました。大変でしたが、走るのは大好きです。ベルスタッフは、大きい一流ホテルの設定なので所作や動き方のルールがきちっとあって、最初は苦戦しました」

イケメンパティシエ梶佑輔役の長妻とは、初共演だ。

「本読みと衣装合わせの時に初めて顔を合わせました。外見はイケメンなんですけど、本当にひょうきんな方なんです。みんなびっくりするくらい、ずっと冗談を言ってて。盛り上げ隊長的な感じで、現場もずーっと盛り上げてくれました」

瑞月と梶は、同じホテルで働き、出会い、やがて恋に落ちていく。

「1話で瑞月が困っているところに、梶がたまたま通りがかって助けてくれる。瑞月は覚えてなかったんですけど、梶はホテルのケーキを瑞月が食べているのを見て知っていた。それで、スイーツの試食係に任命されて、瑞月の方から好きになっていく感じです。(試食シーンは)基本的に本番一発で食べるので、正直難しかったです。スイーツは大好きなんですけど、食べ方を気を付けないとグチョッてなっちゃう。1話ごとに必ずスイーツを食べるシーンがあるので、ご褒美のように食べてました(笑い)」

中学2年の時に東京・原宿でスカウトされた。

「東京生まれですが、あまり、原宿とかに行く機会はなかったんです。雑誌『ニコラ』のイベントを母親と見に行った時に声をかけられました。飯豊まりえさんや山本舞香さんがモデルとして活躍している頃で、私は結構ガチの追っかけみたいな感じだったんです」

5歳の時からクラシックバレエをやっていたが、芸能界への憧れはなかった。

「最初は両親が反対していました。大学生とかになってからでいいんじゃないかということだったんですけど説得しました。それで雑誌『セブンティーン』のオーディションを受けて『ミスセブンティーン2014』に選ばれて、モデルとして活動を始めました」

15年に日本テレビ系の連続ドラマ「黒崎くんの言いなりになんてならない」で役者デビューした。

「今思えば、本当に何も考えてなかったなという感じでしたけど、すごくいい経験をさせてもらいました。同世代の子たちが20人とか30人とか集まる現場なので、学校とは全然違う。みんな本当にちゃんとしていて、中には子役からお仕事をしている人もいてびっくりしたというか、こういう世界なんだなって」

モデルから女優へ。はたから見れば普通でも、本人には違和感があった。

「モデルさんをやったら、いずれ女優さんもやるっていう流れを知らなくて。だんだんオーディションとかでセリフを覚えてきてくださいとかが増えていった時にすごい嫌で。『なんでセリフを覚えるの?』って疑問を抱いちゃうタイプだったので、やりたくないって思って、その代わりモデルを頑張るみたいな感じでした。でも『黒崎くん-』のオーディションに行かせていただいて、役自体が等身大で明るいような役だった。オーディションでは、セリフ言えてたかな? っていうぐらい、メチャクチャだったと思うんですけど、やりたいですって言わせていただいた。やってみてすごく楽しかったです。初めての現場が豪華なキャストの方で、恵まれてました」

転機になった作品があった。20年から1年にわたってヒロイン役を務めたテレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」だ。

「20歳前ぐらいにオーディションだったんですけど、コロナで仕事がなくなって、考える時間も増えた。これから私は、何をやりたいのかと思っていて、絶対に受かりたいという気持ちがありました。いろいろな焦りもありながら、本当に運良く合格した。そこから部活みたいな感じの現場で、1年半ぐらい。それまで、あまりお芝居というものが分かってなかった。ライダーの現場で基礎から教えていただきました。ほとんど毎日、現場にいて楽しかった。監督が5、6人いたりして、監督によってこんなに違うんだとか。本当に一から勉強になりました」

「仮面-」で女優として“変身”できた。今月12日には24歳になる。

「本当の自覚が芽生えたのは、19歳くらいから。そこからが私のスタートだと思っています。あっという間でしたが、年齢を重ねるにつれてどんどん前向きに物事を考えられるようになりました。自分がやりたいことを口に出してもいいんだと。今はNHKの朝ドラをやってみたいですね」

新たなチャレンジへの意欲もわいている。

「バンジージャンプでもいいし、髪の毛を染めて切るとか外見的な変化でもいい。体を張ったバラエティーとか。激辛とかも食べられます。チャンスをもらえるなら頑張りたいと思っています」

◆川津明日香(かわづ・あすか) 2000年(平12)2月12日、東京都生まれ。13年、東京・原宿でスカウト。14年「ミスセブンティーン2014」グランプリ。14~18年、セブンティーン専属モデル。15年日本テレビ系「黒崎くんの言いなりになんてならない」で女優デビュー。16~19年フジテレビ「めざましテレビ」イマドキガール。19年に映画「17歳のシンデレラ」主演。20~21年テレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」ヒロイン。22年MBS「モトカレ←リトライ」で連続ドラマ初主演。163センチ。血液型A。

■スイーツから始まる恋

「Sugar Sugar Honey」 電子書籍配信サイト「コミックシーモア」で900万ダウンロードの鈴木有布子氏の同名コミックが原作。実業団マラソンランナーを引退した佐原(川津)は、一流ホテルでベルスタッフとして働き始める。失敗続きの中で、唯一の癒やしはホテルのスイーツ。ある日佐原はトラブルに巻き込まれるが、イケメンパティシエの梶(長妻)に救われる。佐原は梶から新作スイーツの試食係に任命され、2人の恋が始まる。