乙武洋匡氏「おい、なに死んでんだよ。早すぎるだろ」“表裏一体”のホーキング青山さんを追悼

乙武洋匡氏(2022年9月撮影)

作家、タレントで政治活動家の乙武洋匡氏(47)が、昨年12月に50歳で亡くなった「車いすの芸人」ホーキング青山さんを追悼した。

乙武氏は17日、「おい、なに死んでんだよ。早すぎるだろ」とnoteを更新。かつて青山さんを「ダークサイドに落ちた乙武さん」と評する声があったとして、「ある意味、私と彼とは表裏一体だったと思っている。本当の意味での“障害者のリアル”を知ろうと思うなら、ダイバーシティな社会の実現を真正面から訴える乙武洋匡と、自身では処理しきれない性欲も含めて、すべて赤裸々に語るホーキング青山の存在は、どちらも欠かせないピースだと思うのだ」とそれぞれがメディアで果たす役割を分析した。「基本的には、彼が自身のライブなどで私の悪口を言っているという話が聞こえてくるたび、心の中では『いいぞ、もっとやれ』と煽っている自分がいた」と明かした。

「障害者の性」というタブーとされてきた分野について発信してきた青山さんを称えた上で、「だから言いたい。なに死んでんだよ。まだまだアンタの役割は残ってただろ。まだまだやり残したことがあるだろう。なに勝手に死んでんだよ。ぜんぶ俺にやらせる気かよ」と毒舌で追悼。

「障害者×お笑い」や「障害×性」といった分野がようやく語られる時代となり、「やっと時代が彼に追いついてきたはずだったのだ。だからこそ、彼が亡くなったことをニュースで知り、『悲しい』よりも『悔しい』が先に来たのかもしれない。50歳、あまりに早い別れだ」と吐露した。

お互い落語が好きで、客席で遭遇することはあっても、深い会話はしたことがなかったという。「一度腹を割って、じっくり酒でも飲んでみたかった」と悔しさをにじませ、「青山さん、道を切り拓いてくれてありがとう。あなたがこじ開けてくれたドアからこの小さな体を潜り込ませ、これからも『タブーなんかクソくらえ』と大きな声で叫び続けていきます」と車いすタレントとしての“先輩”への思いをつづった。

ホーキング青山さんは昨年12月12日に都内の病院で亡くなった。2月9日に所属事務所が発表した。