ピエール瀧、保釈以来5年ぶり取材の場「全力で臨むべきだと思った」俳優復帰後初の主演映画

「水平線」完成披露上映会に登壇したピエール瀧(撮影・鈴木正人)

ピエール瀧(56)が19日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「水平線」(小林且弥監督、3月1日公開)完成披露上映会に登壇した。19年3月12日にコカインを使用したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕され、同4月4日に警視庁東京湾岸署から保釈されて以来、初めて取材陣の前に登場。「本日は皆様、お足元の悪い中、ありがとうございます」と、観客にあいさつした。

瀧は19年6月18日に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡された後、20年に映画「ゾッキ」(21年公開)の撮影に参加して俳優に復帰したが「水平線」が復帰後、初の主演作となる。長編映画監督デビューとなる小林且弥監督とは、13年の映画「凶悪」(白石和彌監督)でヤクザの兄貴と舎弟の役柄で共演し、意気投合し今回、監督と俳優としての再タッグが実現。瀧は「『凶悪』という映画の中で僕は小林君を撃ち殺す。殺したはずの舎弟に頼まれたら断れない。『主演をやってくれますか』と言われるまで、作りたい方のマインドがあると思わなかった」と言い、笑った。

その上で「(作品が)向いてる、向いてないもあるので、二つ返事で返せなかった。初監督作は一生に1本しか作れない…頼んできたという事はやると返事をするべきだと感じ取り、脚本を読ませて頂き、力になれるところがあれば、と返事をした。初監督作品に名指しされるのは光栄。全力で臨むべきだと思った」と振り返った。

小林監督は「去年の12月に福島で先行公開した。もともと言えば、役者として11年に復興ドラマに参加した。石巻、気仙沼の人と関わり、福島を中心に通う中で、文字で伝わることと乖離(かいり)したものがあると感じた」と、11年の東日本大震災が作品作りの契機になったと説明。「あくまで個人的な視座ですけど本音、信念を映画という残る文化で可視化できたらいいなと思ったのがきっかけで映画製作を始めた」と振り返った。

瀧は劇中で、福島県のとある港町で震災で妻を失い、個人で散骨業を営みながら一人娘、奈生と暮らすった井口真吾を演じた。ある日、井口のもとに持ち込まれた遺骨は、かつて世間を賑わせた通り魔殺人事件の犯人のものだった。苦しい選択を迫られるなか、真吾が下した決断を描く。