森山未來(39)が日仏合作アニメーション映画「化け猫あんずちゃん」(7月公開)に主演することが21日、分かった。
山下敦弘監督(47)を中心に、森山と五藤希愛(13)が自ら演じた実写映像を撮影。そこから久野遥子監督(34)が、動きや表情を抽出し生き生きとしたアニメーションを作り上げる、ロトスコープの手法を採用し、共同監督で製作。森山は「実写からアニメに? 森山の造形はほぼ跡形もなくなるんだな。でも実験的で楽しそうな座組」と意義を強調した。
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人間の言葉もしゃべることができる37歳の化け猫あんずちゃんが、ミニバイクを停車させ、かりんの方を見る。「お前、どこのもんだ?」と問いかける声と、柔らかく、しなやかな身のこなしが一片のブレもなく一致する…まさに森山そのものだ。それも、そのはず。アニメの裏では、山下監督の「よーい」のかけ声を受け、猫耳を着けた森山が実際にバイクを運転し、五藤の前で停車し、演じている。撮影した実写映像から動きや表情をトレースなどして抽出して作り上げた。 ロトスコープは従来、演奏やダンスなど人間の動きをリアルにアニメーション化する際に用いられる。今回は撮影現場でしか生まれない芝居を落とし込む狙いで、森山と五藤がほぼ全編、演じた。かつ、現場でしか生まれない掛け合いによる役者の声も同時録音したことで、さらに絵と声との一体化に成功した。
それにしても、実写映画そのままの撮影を敢行した映像が表に出ず、アニメになるのは極めて異例だ。しかも、12年の森山の主演映画「苦役列車」と同じ、山下監督と脚本家のいまおかしんじ氏のタッグをはじめ、実写映画界の優秀なスタッフが集結して製作された。森山は「(山下、いまおか両氏による)10年ぶりの懐かしくもうれしい座組である。実写からアニメに? それもおもしろそうだ。(中略)青天のへきれき、棚からぼたもち…正直びっくりである」と語った。
山下監督は、いましろたかし氏の07年の同名漫画の映画化企画を7年前に立ち上げた。「まさか長編アニメ映画として作ることになるとは思ってもいませんでした。唯一無二の映画が出来上がりました!」と力を込めた。久野監督も「山下監督が映し出す温度のあるお芝居を冷ますことなく、再構築する体験はぜいたくで、しびれました」と手応えを口にした。
◆アニメの製作 世界観などを考え、脚本を書くなど構想を練った上で絵コンテを作り、原画を作製し、動画の製作に移行する。声優が声を当てるアフレコの際は、動画までできておらず、線画のような状態で行うケースが大半だ。逆に、絵がアフレコまでに間に合わなかったり、声優の演技に合わせてキャラクターの口の動きなどをつくりたい場合は、先に収録を行い、後で絵を作製するプレスコの手法を採る。22年「THE FIRST SLAM DUNK」では、湘北対山王をはじめバスケットボールの試合のシーンは、カメラを360度、設置した部屋で選手にプレーしてもらい、人間の動作をデジタル化するモーションキャプチャーで撮影し、絵に落とし込み調整を繰り返した。