元モー娘。ゴマキの甥っ子、RUNE999が初アルバム発売「夢はJ・ビーバーと曲を作ること」

初アルバムをリリースしたRUNE999(撮影・滝沢徹郎)

そのビートを世界へ響かせる。ラッパーのRUNE999(ルネ、26)が28日にファーストアルバム「江戸川」をリリースする。

元モーニング娘。で歌手の後藤真希(38)の甥っ子で、2021年に俳優からアーティストへ転向。約1年かけて厳選した9曲を届ける。目標は米人気歌手ジャスティン・ビーバー(29)との楽曲制作。地元の東京・江戸川区から“下町育ちのラッパー”として名をはせる日を夢見る26歳に、今の思いを聞いた。【松尾幸之介】

■ありのままのメッセージ

RUNE999は「やっと1歩目。納得いく作品ができた」と自信を口にした。リード曲「あと少し」はすでにミュージックビデオ(MV)も公開。「自分にも刺さる曲」と自身の現状も鼓舞する内容とした。これを最後に置き「1曲目から流れで聞いてほしい。そうすれば各曲の意味とかもより理解できると思う」と力を込めた。

江戸川区拠点のクルー「River Side House」のリーダーでもあり、アルバム制作には地元の仲間、Eddy Armada(26)やagree(21)も参加。1曲目の「After the Rain」に携わったEddyは「歳を重ねても中身は変わってないよというありのままのメッセージを込めました」と思いを語った。

5曲目の「WARUGUCHI」など2曲に関わったagreeは「曲を聞いてこれだなと思い、参加させてもらいました。自分もソロでも活動していて、成長したスキルなどが出せたかなと思っています」と話した。

■海外の大物からまさかの返事が

RUNE999にとっては2つ目の夢を追いかける最中にある。幼少期から「仮面ライダーとラッパーになることが夢だった」といい、2015年の「仮面ライダーゴースト」出演で1つ目の目標を達成した。「芸能界入り前に母親と話した時に『ラッパーになったら仮面ライダーにはなれないよね』と言っていて。なので先にライダーになるために、近道だと思ったジュノンのコンテストを受けました」。

そんな思いでエントリーした2012年の「第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で見事ファイナリストまで進出し、芸能界へ。約3年で「仮面ライダー」出演を果たすと「達成感を感じてしまって。それ以上、俳優として賞をとりたいとかは思っていなかったので、そこからは音楽にシフトしました」。

ラッパー転身後の目標は、音楽を好きになったきっかけでもある「ジャスティン・ビーバーと曲を作ること」。初めてのタトゥーもジャスティンと同じ左耳裏に入れたといい「ジャスティンと曲を作るために、まずは彼が誰に憧れていたのかを調べて。その1人が(米シンガー・ソングライターの)Ne-Yoでした」。

そこからNe-Yoが2007年に発表した「Becouse Of You」を元にした楽曲「2007 BOY」を制作。すぐにNe-Yoに「こういう曲を作ったので、もしよかったら出させてほしい」とSNSでダイレクトメッセージを送った。「そうしたらまさかの返事が返ってきて。『かっこいい曲だね。オフィシャルとして出していいよ』と言ってもらえました」。

Ne-Yoからは「将来どうなりたいのか」とも聞かれたといい、「自分はスターになる。ジャスティンみたいになります」と言ったら、「『いいね』って笑っている絵文字と一緒に返ってきました(笑い)」。俳優になった際と同じように「まずはひとつひとつ段階を踏んで」と着実に歩を進める。「1人が上に上がればクルーみんなで上がれると思うので。今、他の仕事もしているので、全員が仕事を辞めて音楽だけでいけるようになったら米国に行くことも考えています。いつかNe-Yoにも認めてもらえた曲をジャスティンにも聴いてもらいたい」と力を込めた。

■親戚には音楽活動経験多いが…

地元江戸川を背負って世界に立ち向かう。叔母の後藤や、その弟で現在は千葉・八街市議会議員も務める祐樹氏(37)ら、音楽活動経験のある親戚は多いが「実力でたたき上げていきたい。その方が燃えるので」と語る。後藤からは「やりたいようにやればいいよ」と声をかけられたといい「自分でやれることはやってみて、いつかレベルが同じくらいになったら一緒にステージに立ちたいですね」。

“下町のラッパー”としての自負もある。「下町出身のアーティストってあんまり多くはいないなと思っている部分はあって、そこをひっくり返したい。江戸川のラッパーと言えばRUNE999だねと言われるように。全員で上がっていきたいですね」と意気込んだ。