【コラム】後悔したうそ/大西遙香

アメリカ在住時、ちょうど12歳のころ

<はるかぜの便り:UX大西遥香アナウンサー>

「うそをついたことはありますか?」。

就活でアナウンサー受験をしていた時、とある放送局の面接官に聞かれた質問です。

採用面接では変わった質問をされることがあります。「この場で何か披露できることある?」「そこにある椅子について1分しゃべってみて」--。臨機応変さと、むちゃを言われたときの反応を見ているのでしょう。10年近く前の話なので今は事情が変わっているかもしれませんが。

冒頭の質問に何と答えたかというと「はい、あります」。「ない」と答えるとそれ自体がうそになってしまうため、正直に白状しました。すると面接官は「どんなうそですか?」と。とっさに浮かんできたのが初恋のエピソードでした。当時12歳。父の仕事の関係でアメリカに住んでいて、現地の学校に通っていました。相手はブロンドでくせっ毛の、青の瞳が印象的なクラスでも人気者の男の子。無意識のうちに目で追っていたのだと思います。周りの子に気付かれて冷やかされてしまい、恥ずかしさのあまり、とっさに「好きじゃない」とうそをついてしまったのです。

ちょうどその頃、日本に戻ることが決まり、最後の登校日に正直な思いを話そうと決意しました。その日、ドキドキしながら登校すると、なんと彼は欠席! 私はうそを撤回できぬまま帰国となりました。こんなお別れを想定していなかったので相当後悔しました。

幸い面接官がこの話を気に入ってくれたのか(?)その面接は通過。苦く淡い思い出が時を経てネタになりました。

それで結局私が何を言いたいかというと--3月、出会いと別れの季節です。みなさんは後悔ありませんように。(新潟テレビ21アナウンサー)