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日舞パフォーマーで歌手の花園直道(35)が、初の東京・明治座座長公演に挑む。芸能生活20周年記念公演「花園城だよ!全員集合」で、4月18、19日に計3公演を行う。デヴィ夫人、松井誠、角田信朗を始め、真田ナオキ、新浜レオンら数多くの歌手や舞台仲間が出演する。デザイナー桂由美氏が一部衣装を提供する。少年時代の不登校を乗り越え会得した斬新な踊りと歌で、観客を魅了する。【笹森文彦】
花園は日本舞踊をベースに、181センチの長身から繰り出すダイナミックな踊りと歌で、観客を魅了する。そのパフォーマンスは「スーパー日舞」と言われ、他の追随を許さない存在になっている。昨年4月に創業150年を迎えた商業演劇の殿堂・明治座で来月、初座長を務める。芸能生活20周年記念である。
「自分がずっと夢見てきた明治座です。20年間お世話になってきた皆さまのおかげです。感謝の気持ちをお届けしたい」
公演の1部は江戸がテーマの歌謡劇で、花園は花園城の城主。ゲストの歌仲間が次々と城にやって来て、それぞれ持ち歌を歌う。デヴィ夫人もお姫さま役で登場、歌を披露する。
「イメージとしては(志村けんさんの)バカ殿ですね。劇の主題歌は沢田研二さんの『TOKIO』で、最後、歌詞を江戸に変えて、みんなで歌います。とても楽しいです」
2部は、花園の踊りと歌のショー。イリュージョン的な演出や、衣装の早替わりの連続。踊りの名手・竜小太郎から伝授された日本一早い早替わりで、五変化する神業を披露する。中盤、20周年の集大成のバラード「Let,s walk together」を歌う際、デザイナー桂由美氏の衣装を着る。
「明治座の舞台機構をふんだんに使って、僕の持ち味である日舞とダンスを融合させた新感覚のパフォーマンスをお見せします」
明治座はまさに夢舞台である。小学生から坂東流の日本舞踊を習い、17歳で坂東蔦之龍を襲名した。並行して津軽三味線と声楽も学んだ。母が日本舞踊をやっていたこともあったが、自身が不登校だったことも影響していた。
「新しい環境の中学に行くとなった時に、すごく物おじしてしまって。友達の輪に入れず、引っ込み思案になってしまった。最初の1歩を踏み出せなかった」
一方で「学校に行けない分、何か自分に力を蓄えなければ」という思いは強く持っていた。それが日舞、津軽三味線、歌だった。
「サポート施設で勉強していたのですが、将来への危機感はありました。踊りをしっかり身に付けておかなければという漠然とした思いがあって、一生懸命、稽古していました」
津軽三味線の師匠(山田隆二氏)は、大衆演劇「新星劇団」の座長でも活躍していた。15歳の時、舞台に立つことを勧められた。
「お稽古は一生懸命やるけど、人前に出るのはいいです、と断っていました。でも先生に『稽古100回分の価値がある』と言われて。健康ランドでしたが、出てみると、拍手や声援がこんなにいいものなんだと、どっぷりとハマってしまいました(笑い)」
18歳まで約3年間、同劇団で活動した。その間に大衆演劇の人気役者の松井誠や梅沢富美男の明治座公演を見た。「いつか自分も、この場所で」と、明治座が夢の舞台となった。
18歳で独立し「花園直道」として活動を始めた。「時に邪道であっても、派手に新しい姿を見せる」という意味の「邪派新姿(ジャパニーズ)」をスローガンに、斬新な和のパフォーマンスを追求してきた。14年にはロサンゼルスのアームストロング・シアターで初のアメリカ公演を成功させた。その時生まれたマイケル・ジャクソンさんのパフォーマンスは、花園の代名詞になった。
「僕は、稽古事で自分の殻を破れた。それが仕事となり、こうして明治座まで運んでくれた。かつての自分と同じような境遇にいる方のお気持ちが、よく分かります。自分が、心が楽しいなと思えるものを見つけて没頭して、何でもいいので、前に進んでいってもらいたいと思います。僕はそういう方々にエンターテインメントを通じて、夢をお届けしたいのです」
健康ランドの初舞台から20年。夢だった明治座公演を実現した。すでに次なる夢、目標も描いている。
「いつか、日本舞踊や民謡、三味線、和太鼓、演歌、着物のファッションショーなど、和をテーマとしたビッグフェスを日本武道館で開催したい。世界が注目している日本文化を、あらためて国内に発信したい。花園城は今はまだ小さな城かもしれないけど、大きな城に築き上げ、全国統一したいです」
花園直道。35歳。和の伝道師として、これからもますます飛躍する。
◆花園直道(はなぞの・なおみち)1988年(昭63)8月19日、東京生まれ。日大芸術学部中退。歌手として11年に徳間ジャパンからシングル「古(いにしえ)の花」でメジャーデビュー。22年の「嵐を呼ぶ男 石原裕次郎トリビュートライブ」を演出。昨年は山内惠介の「こころ万華鏡」の振り付けを担当。一般社団法人JPN dance協会代表、商業ビル「ハナミチ東京歌舞伎町」の広報大使。趣味は釣り(シーバス)。血液型O。
■20周年記念曲「キトアイラク」
20周年記念曲「キトアイラク」は、喜怒哀楽(きどあいらく)の怒から濁点を取り「喜と哀楽」にした造語。「怒り合わないで、平和な世の中にしようよ、というメッセージが込められています」。カップリングは「Let’s walk together」。9月6日に、米アームストロング・シアターでの単独公演「花園城インLA」が決まった。「現地の和太鼓集団や津軽三味線奏者と共演します」。
<明治座公演ガイド>
▼日時 4月18日午後4時開演。同19日午前11時と午後3時30分開演。
▼演目 第1部は歌謡劇「花園城だよ!全員集合」。第2部はショー「THE DREAM SHOW-風雲!花園城」
▼共演者 デヴィ夫人、松井誠、角田信朗、竜小太郎、門戸竜二、大川良太郎、真田ナオキ、田中あいみ、徳永ゆうき、新浜レオン、パク・ジュニョン、花見桜こうき、原田波人、藤井香愛、松阪ゆうき、最上川司、彩青、斬波、東京力車、観月ゆうじ、MIKAGE PROJECT、山部泰嗣、五月千和加、カンタロー、華舞斗、JPN dance協会(順不同、出演日等は要確認)