「踊る大捜査線」12年ぶりプロジェクト再始動を東宝発表、映画最新作が今秋公開…主演は柳葉敏郎

12年ぶりに再始動した「踊るプロジェクト」のビジュアル(C)フジテレビジョン

東宝は19日、前日18日に「踊る大捜査線」シリーズ公式サイトで発表された、

12年ぶりとなるプロジェクトの再始動を正式発表した。シリーズで警視庁キャリア組の室井慎次を演じてきた柳葉敏郎(63)が主演を務めた映画最新作の製作が決定し、今秋公開する。室井が主人公として描かれるのは、興行収入(興収)38億3000万円を記録した、05年8月公開のスピンオフ映画「容疑者 室井慎次」以来19年ぶりとなる。

1997年(平9)1月期にフジテレビ系で放送されたドラマシリーズ立ち上げ時にプロデューサーを務め「-THE FINAL」では製作を務めた、現BSフジ社長の亀山千広氏(67)がプロデュース。シリーズを代表する脚本家で「容疑者 室井慎次」では監督も務めた君塚良一氏(65)が脚本を手がけ、監督はドラマシリーズのチーフ演出から「容疑者 室井慎次」以外の劇場版の監督を務めた、本広克行監督(57)が務める。製作陣が12年に公開された「踊る大捜査線 THE FINAL」以来12年ぶりに再集結する。

プロジェクト再始動が電撃的に発表された前日の3月18日は、1997年(平9)にフジテレビ系で連続ドラマ第11話(最終話)「青島刑事よ永遠に」が放送された当日で、発表された午後9時は同話の放送開始時間だった。このほど公開されたスーパーティザー映像では、織田裕二(56)演じる、脱サラして刑事になり東京・台場にある湾岸署の強行犯係に配属された青島俊作が、室井に「あんたは上にいろ。俺には俺の仕事がある。あんたにはあんたの仕事がある」と語りかけるラストシーンが織り込まれた。「俺、頑張れます。俺と同じ気持ちの人が上にいてくれるんですから。現場の刑事はあなたに期待しています。お願いします」などと語りかける、熱意ある青島と出会った室井が、一緒に働くことによって、本庁と所轄の縦割り構造を廃止すべきだ、と実感し行動に移す。最終話の放送の中で交わされた“青島と室井の約束”から27年の時を経てのプロジェクト再始動となる。

2分27秒のスーパーティザー映像には、最終話をはじめ室井を軸にした過去の映像に加え、新規に撮影したとみられる柳葉と升毅(68)が演じるシーンも登場。升は「踊る大捜査線」シリーズで警察庁刑事局刑事企画課長・警視長などを歴任した坂村正之を演じてきたが「長官は、組織などそう簡単に変わるものではない、と。5年もやったんですよ。もういいでしょ」と柳葉演じる室井に語りかけ、その中「あなたはまだ、室井慎次の全てを知らない。」との文字も画面に躍った。

「踊る大捜査線」は、1997年(平9)1月期に全11話、放送されたドラマシリーズが、世帯視聴率18・2%を記録した。98年10月に映画第1弾「-THE MOVIE」が公開。日本にシネコンが台頭してきた頃、まだ事前予約制などなかった時代だったため、公開初日にはチケットを購入すべく、熱狂的なファン達が東京・有楽町の日劇の周りを何重にも列を作り、全国の劇場で連日立ち見の満員御礼、異例のロングランを記録するなど数々の伝説を打ち立て、興収101億円と大ヒットした。

03年7月には、公開から20年たった今もさん然と輝く、邦画実写映画歴代最高興収173億5000万円を記録した「-2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が公開。10年7月公開の「-3 ヤツらを解放せよ!」は興収73億1000万円、12年9月公開の「-THE FINAL」は同59億7000万円を、スピンオフ映画として、05年5月に公開された「交渉人 真下正義」も興収42億円を記録。公開した映画シリーズ6本の累計興行収入は、487億円、累計動員数3598万人を超えた、一大刑事シリーズとなった。