黒田みゆアナ、背筋伸ばし成長中 日テレ次世代エース候補 先輩から刺激「DayDay.」の1年

「DayDay.」で進行を務める日本テレビ黒田みゆアナウンサー(撮影・鈴木みどり)

<情報最前線:エンタメ テレビ>

偉大な先輩たちに学びながら成長を続けている。日本テレビ黒田みゆアナウンサー(25)が進行を務める朝の情報番組「DayDay.」(月~金曜午前9時)がまもなく放送開始1年を迎える。NHKから“移籍”して注目を集めた武田真一アナ(56)、南海キャンディーズ山里亮太(46)のダブルMCと共に番組を支える。刺激たっぷりの日々を過ごした次世代エース候補に、1年で得たものとこれからについて聞いた。【松尾幸之介】

■誕生日に突然…「帯の覚悟」

この日も緊張の生放送を終え、黒田アナは取材部屋にやってきた。番組は日替わりゲストらを招いて進める「おしゃべり感覚で見られる爽快・情報エンタメトークショー」とし、17年間続いた「スッキリ」などの枠を引き継いで始まった。初年度は企画の試行錯誤なども多かったといい「とにかくあっという間の1年でしたね。視聴者の方が今、どんなこと知りたいのか。他局さんの番組でも同じテーマを扱う中で、うちの番組ではどういう切り口で伝えるのか。アンテナを張って、視聴者の方を置き去りにしない番組作りをこれからも続けていきたいです」。

初の朝の帯番組起用を伝えられたのは入社2年目の12月。箱根駅伝取材の準備をしていた自身の誕生日の日だった。「偶然かもしれないですけど、アナウンス部長に『ちょっといい?』と声をかけられて。何かやらかしたかな…と思って行ったら『朝の帯番組をやる覚悟はありますか?』と聞かれて。判断もついていなかったのですが、その場ではとりあえず『あります』と言うしかないなと。そこからはプレッシャーを感じる間もなく番組スタートを迎えた感じでしたね」。

■武田アナに学んだ「事前準備」

経験豊富なMCの2人から吸収しているものは多いという。1年がたち「少しは緊張しなくなった」というが、その度に武田アナからの言葉を思い返している。「武田さんはよく『緊張しないやつはだめだ』と言うんです。『でも緊張して何もできないのももっとだめだ』とも。山里さんも武田さんも本番の5分前には世間話とかをせず、ピリっとする雰囲気に切り替わる感じがあって。これだけ一流の方でも、ずっと緊張し続けているんだろうなと。その姿を見て、私も背筋を伸ばして取り組んでいきたいなと感じています」。

2人の仕事への姿勢で驚かされたこともたくさんあった。武田アナについては「いつどんなことを聞いても何でも知っているんです。実は前日とかに番組で扱うことや、ゲストの方とかについてものすごく勉強されていて。そして私にとって軸となるような言葉をふっとくださる時もあって。この前は『伝えようとする迫力が大事だよ』と言ってくださいました。これだけ準備してきたから大丈夫という自信がないと迫力も出ないと。そのためには事前準備がやっぱり大切なんですよね。でも、武田さんはそんな感じで言ってくださった言葉を全然覚えてないんです(笑い)。『そんなこと言ったっけ?』みたいな。覚えてないくらい、自分の中から自然と出た言葉なのだと思います」。

■山里からは「演者の見え方」

山里からは演者としての立ち位置や見え方について学んだ。「私の発言や行動とかを1つ1つ見てくださっていて、局アナとして生意気に見えたり、出よう出ようとしているように見えないようにすごく気を使ってくださっています。私が好きなお笑いの話になった時は積極的に話を振ってくれたり、アナウンサーとしての役割を保ちつつ、良さを出していこうと番組の中でやってくださっていることがすごくうれしいなといつも感じています。山里さんはコーナーひとつとっても、普段は目立たない陰の部分に光を当てようとしてくださったり、番組PRなどでゲストの方がいらっしゃる時も、どうしたらその人たちが輝くかを勉強してきて、提案してくださっています」。

■「周囲の思い」をより考えて

2人に大きな刺激を受けながら、自身も情報収集への意識や行動が変わった。「自分だけでなく、周囲がどう思うのかもより考えるようになりましたね。SNSを見たり、友達や家族に意見を聞いてみたり、そうしたことを打ち合わせなどでも積極的に伝えて、反映させています」。朝の情報番組に長く出演し、現在は「ZIP!」の総合司会を務める水卜麻美アナの姿を参考にすることもあるといい「最近は『DayDay.』よりも『ZIP!』を見返す時間の方が長かったりするんです。ゲストの方とのかけ合いで水卜アナならこういう受け方をするんだなとか勉強させていただいています」。

山里の代打で水卜アナとスタジオで“共闘”した際は、「『DayDay.』は黒田の番組だから、自分のやり方でいいんだよ」とアドバイスされた。「今は世間的には『DayDay.』担当のアナウンサーという印象が強いと思いますが、黒田アナと言えば『DayDay.』だよねと言われるように頑張ります。いつかは日本テレビを代表するようなアナウンサーになりたいです」。

入社後、初の単独インタビューで力強く宣言した。周囲の大きな期待を背に、成長を続けていく。

◆黒田みゆ(くろだ・みゆ)1998年(平10)12月20日生まれ。兵庫県西宮市出身。中学、高校と硬式テニス部で、関西学院大時代はセント・フォース関西に所属。女子アナも多く輩出する大阪・今宮戎神社の第67代福むすめにも選ばれていた。21年日本テレビ入社。「news zero」のカルチャー、お天気キャスターなどを経て、23年4月から「DayDay.」の進行に就任。趣味はお笑い鑑賞で、東京の神保町よしもと漫才劇場やヨシモト∞ホールに頻繁に足を運ぶ。特技は絵本の読み聞かせ。今年は料理上達が目標。162センチ。血液型B。