<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
女性3人組バンド、SARD UNDERGROUND(サード アンダーグラウンド)をこのほど、インタビューしました。
ボーカル神野友亜(23)、ベース杉岡泉美(24)、キーボード坂本ひろ美(28)の3人は、07年に亡くなった坂井泉水さんボーカルの「ZARD」のトリビュートバンドとして19年にデビュー。今年で5周年を迎えています。
21年からオリジナル曲もリリースしていますがメインで歌っているのはZARDのカバー曲です。3月20日発売のアルバム「ZARD tribute Best Selection」は14曲を収録。そのうち8曲は以前に発売した曲を歌い直しています。その理由について神野は「より原曲に近い形(アレンジ)で歌いたかったから」と説明しています。
最初に最新アルバムの曲を聴いた時に、坂井さんと神野の声がすごく似ているなと思いました。取材の時にその感想をぶつけると、神野は「何度か『似ている』って言っていただいたことがあるけど、自分では本当に似ていないと思ってて…」との反応です。「ZARDさんの曲は別物として届けてるというか、SARD UNDERGROUNDとして届けています」とも言っています。ZARDとSARDは別物で「歌い回しとかは坂井さんの歌い方に寄せるようにはしてるんですけど、声までは似せれないなって思います」。そして「ただのまねだと、トリビュートの意味もなくなっちゃうと思う」とも。これは強烈なワードです。ZARDへの尊敬の思いを強く持ちつつも、SARDとしての自負も併せ持っていることがヒシヒシと伝わってきました。
「別物」。その言葉が耳に残っていた影響もあるのでしょうか、取材後にアルバムを繰り返し聴いているうちに「やはり違うな」と思い始め、やがて両者の違いが際立ってきました。テクニカルな歌い方は確かに似ていますが、声のカラーは別物です。
SARDは神野以外のメンバーもユニークです。杉岡は言葉選びがすごく独創的。例えば坂井について「本当に透明感が透け透けで、お顔も容姿も大好き。こんな女神な人いるんだなってずっと思っています」。透け透け、女神…。“イマドキ”の言語表現とアニメ声が特徴的で、周囲の人を自然と笑顔にさせるような明るい魅力を持っています。
そして、坂本は2人よりも少し年齢が上なのも関係しているのでしょうか。まとめ役的な存在です。同じ質問に対して最後に答えるケースが多いのですが、2人とは内容がかぶらないように、そして別の視点も加えることがありました。印象的だったのはZARDの曲について「恋愛ソングだけどすごく勇気をもらえる歌詞もあって、日々元気をもらっています」という言葉です。男女の恋愛ソングだけど、生きる力になるような世界観の曲が多い、と。これはZARDが時をへても色あせることなく、多くの老若男女に愛される理由の1つでもあります。恋の季節から遠のいたオジサン記者の心にも歌詞が染みる理由をあらためて教えてもらった気がしました。
音楽と同じように、取材でもそれぞれの個性がうまくハーモニーをしていました。【松本久】