長澤まさみを愛した男は西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎 三谷幸喜氏新作映画

三谷幸喜監督5年ぶりの新作映画「スオミの話をしよう」のティザービジュアル(C)2024「スオミの話をしよう」製作委員会

三谷幸喜監督(62)5年ぶりの新作映画「スオミの話をしよう」(9月13日)に、西島秀俊(53)松坂桃李(35)遠藤憲一(62)小林隆(64)坂東彌十郎(67)が出演することが14日、分かった。

5人は、主演の長澤まさみ(36)演じる突然、行方をくらませた大富豪の妻スオミを愛した新旧の夫を演じる。西島と松坂は、三谷監督作品に初出演で、西島は「ただただ演技することが楽しい最高の現場」、松坂も「喜劇というものを改めて学ばせてもらいました」と、三谷組初参加の喜びをかみしめた。

「スオミの話をしよう」は、スオミの失踪を知り、元夫の4人が現在の夫の豪邸に集結も、それぞれが語るスオミは、見た目から性格までイメージが全く異なるため「スオミがどんな女性なのか」を熱く語り合う。1つの屋敷を舞台に、スオミはどこへ消えたのかと、その行方に右往左往する男たちの、悲喜こもごものやりとりを描くサスペンス・コメディーだ。

遠藤は“1人目の男”M気質の使用人・魚山大吉(ととやまだいきち)を演じる。三谷監督が脚本を担当した18年のフジテレビ系ドラマ「黒井戸殺し」以来の三谷作品への出演に「久しぶりに三谷作品の出演がきまり、脚本を読むのがワクワクした。三谷さんの脚本はおもしろいに決まっている。今回はどんな話だろう? 期待を大きく膨らませた」と、出演が決まった段階で喜んだと明かした。「そこでふと思った。三谷作品は絶対におもしろいと思われることに三谷監督はどう思っているのだろう。俺だったらプレッシャーに押しつぶされて何もできなくなりそうだ。だから、おもしろいに決まってるなんて思ってはいけないんじゃないだろうか、今回はちょっとだけおもしろいぐらいに思った方がいいのではないか…。そして今作『スオミの話をしよう』を読み始めた。おもしろい! やっぱりおもしろい! 笑った! 笑い転げた! 撮影が始まると監督はさらに新しいアイデアを生み出していった。すごい人です、三谷幸喜さんは」と絶賛した。

松坂は“2人目の男”見えっ張りのユーチューバー十勝左衛門を演じる。「僕が演じた十勝は自信家で見えっ張りで、それゆえに人一倍ポジティブ思考の男です。初めて参加した三谷組は、どんな演出が飛んで来るのか、キャスト陣との軽妙な掛け合いなど、毎日、ワクワクなことしかありませんでした。長澤さんをはじめキャストの皆さま、めちゃくちゃすてきです」と撮影を振り返った。

小林は“3人目の男”お人よしな刑事・宇賀神守を演じる。三谷監督が主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」出身で、映画だけで11年「ステキな金縛り」、19年の前作「記憶にございません!」に続き3作目の出演と、三谷組の常連だ。「三谷監督作品は3作目になります。合間にダンスの稽古をはさみつつ、約1カ月半の撮影がとても楽しかった」と、23年8~9月まで行われた撮影を振り返った。そして「いまだかつてない大役とまわりのメンバーのすごさに最初はたじろいだけど、穏やかな現場ゆえに、いつの間にか落ち着いてやれていました。“監督の人徳”ですね、今回で確信しました。ホントに心地よい現場でした。スオミと新旧5人の夫たちのバカバカしくておかしい物語を一刻も早く目撃したい! 映画の完成を心待ちにしております」とコメントした。

西島は“4人目の男”神経質すぎる警察官・草野圭吾を演じる。「これまで共演者の方々から、三谷組で作品を創り上げる熱量や大変さ、そしてその現場のおもしろさを伺っていました。今回初めて三谷幸喜監督の作品に参加することになり、新しい挑戦を楽しみにしつつも自分にできるだろうかという不安もありました」と、三谷組初参加を前に、期待と不安が入り交じっていたと吐露。それでも、撮影では三谷組を堪能し「しかし実際に撮影に入ると、監督の圧倒的な演出力、共演者の皆さんの自由でチャーミングな演技に魅了される毎日で、ただただ演技することが楽しい最高の現場でした。そして、最高峰のスタッフの皆さんの豊かなイメージと、それを映像として具現化する力にも驚かされる日々でした」と刺激を受けたようだ。「チームの一員として参加できたことを感謝しています。とてもおもしろい作品になると確信しています。どうぞご期待ください」と、作品の完成を心待ちにした。

彌十郎が演じる、スオミの夫で“5人目の男”寒川しずおは自分勝手な詩人だ。三谷監督が脚本を手がけた、22年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じた北条時政役で大ブレークしたが、三谷組は初参加。「三谷幸喜監督の映画作品には初参加で緊張していましたが、監督はもちろんスタッフ、キャストの皆さんが素晴らしく、とても楽しく気持ちのいい撮影期間を過ごすことができました。私も自分の年齢を忘れて思いっきり演じさせていただいたので、筋肉痛になった程です」と充実の撮影を振り返った。「共演者の方々も最高で、おもしろい作品になること請け合いです。この作品をスクリーンで見られることを今から楽しみに、ワクワクしています」と期待した。

三谷監督は、23年12月に都内で行われた2024年東宝ラインアップ発表会の席上で「スオミの話をしよう」の製作を発表した際、スオミを囲む5人の男を演じる俳優について言及。「あまり僕の作品に出てこなかった俳優さんに集まってもらっています。佐藤浩市も、中井貴一も、西田敏行さんも出ていません」と、三谷組に常連の佐藤浩市(63)中井貴一(62)西田敏行(76)は出演していないことを明らかにしていた。

その言葉通り、自身の監督した映画、演出した舞台に出演を続けてきた常連俳優は、89年の舞台「天国から北へ3キロ」から出演を続ける小林ただ1人。遠藤は15年の監督作「ギャラクシー街道」に出演も、演出した舞台への出演はなく、彌十郎も、脚本と演出を担当した19年の舞台「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」に出演したのみ。西島と松坂にいたっては初出演と、新たな三谷ワールドの到来を感じさせる顔触れとなった。