NYライブ追加公演決定のいまだに音域広がる八神純子に教えられた「歌手の体は楽器である」

米ニューヨークソロライブを行う八神純子(左)と宮本貴奈

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

シンガー・ソングライター八神純子が、6月末に米ニューヨークの名門ジャズクラブ「バードランド」で、ソロライブを開催する。当初は6月30日だけだったのだが、同29日にも追加公演を開催することになった。

ニューヨーク公演には、八神のコンサートツアー「キミの街へ」をサポートしているピアニストの宮本貴奈(たかな)と2人で臨む。八神は「1日だけでも大きなチャレンジでしたから、追加公演のニュースが届いた時には驚きました。こうなったら、1日目も2日目も、いつものように全力で歌います!」と話している。

5月21日に、ニューヨーク公演の前祝いともいうべき「八神純子with宮本貴奈Live at Cootton Club~2024年New York バードランド初出演を祝して~」を開催し、会場の東京・丸の内のコットンクラブに取材に行った。取材といっても、赤ワインを飲みながら、八神の歌を聞いただけなのだが、恐ろしいことにいまだに声域が広がっているような気がする。歌手の体は“楽器”である、ということを実感させてもらった。

コットンクラブのライブでは、「思い出は美しすぎて」「みずいろの雨」「ポーラスター」や「パープルタウン」などの往年のヒット曲を歌ってくれた。そして、地球上の環境問題にもスポットを当てた最新作「TERRA~here we will stay」も披露してくれた。

八神は23年6月、全米の「女性ソング・ライターの殿堂」で日本人初の殿堂入りを果たした。80年代からヒットソングを連発したレジェンドで、今更しゃかりきになることもないのだが、精力的に音楽活動を続けている。前述のコンサートツアー「キミの街へ」に加え、今年も恒例となったコンサート「ヤガ祭り」を10月11、12日に東京・昭和女子大の人見記念講堂で開催する。

昨年まではコロナ禍の影響でかなわなかったのだが、21日のコットンクラブでのライブ後に楽屋あいさつにうかがわせもらった。そして褒めるというか、お礼を言わせてもらった。

1つめは歌の素晴らしさ、今なお音域を広げる努力について。そして2つめは、かつてのヒット曲を工夫して、惜しげもなく披露してくれたことについてだ。

レジェンドと言われる年齢になる歌い手は、加齢からくる声の衰えを感じさせることがある。全盛期を知る“還暦記者”にとっては自身の年齢を感じさせられるようでとてもつらい。

そして、かつてのヒット曲を歌わない、歌っても義理を果たすように披露する場合が少なくない。八神はジャズのナンバーと曲順、組み合わせを考え、トークも入れて堪能させてくれた。

いくつになっても、努力、探求することの大切さを教えてもらった八神純子のコンサートだった。【小谷野俊哉】