元吉本新喜劇座長の石田靖「くさすとか、絶対にされない」今くるよさんしのぶ

石田靖(2014年12月撮影)

上方を代表する女性漫才師、今くるよさん(本名・酒井スエ子=さかい・すえこ)が27日、膵がんのため、大阪市内の病院で亡くなった。所属の吉本興業が28日、発表した。高校時代の同級生で、15年5月に亡くなった今いくよさんと、70年に島田洋之介・今喜多代に弟子入り。「お嬢ちゃん漫才」とやゆされながらも、懸命に腕を磨いた。

くるよさん最後の舞台は22年4月2日、吉本興業の創業110周年特別公演「伝説の一日」初日だった。聖地の大阪・なんばグランド花月で、約3年ぶりに舞台出演。吉本新喜劇に出演した。

元吉本新喜劇座長の石田靖(58)はこの日、レギュラー出演する読売テレビ「かんさい情報ネットten.」で、くるよさんをしのんだ。

「ぼくらが若い時からずっと優しくて。もう、誰に対しても絶対、ほめてくれはるんですよ。あんた男前やな~、あんた吉本の橋幸夫やな~とか」

圧倒的男性上位だった時代、上方漫才の門をたたき、悔しい思いをしてきたいくよさん、くるよさんは、ともに、年齢の上下を問わず、だれにも分け隔てない人柄で知られた。

「どんな若手が来ても絶対ほめてくれはるんですよ。くさすとか、絶対にされない方でした」

他人の悪口を言わない漫才を貫いた舞台上の姿と同様の生きざまだった。

最後の舞台では、シルクが押す車いすに乗って登場したものの、声は張っていて「どやさ~」を連発。石田は「体調を崩してはったんですけど、ちゃんと『どやさ~』をやって、笑いをとってらっしゃった」と振り返り「残念ですね」と言い、涙をこらえながら言葉を振り絞っていた。