<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
日向坂46が9月7日から2日間、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で、「ひなたフェス 2024」を開催した。同所がスポーツ以外の目的で使用されるのは初。グループにとっても新たな試みで、地域振興におけるアイドルグループの大きな可能性を示した。
SKE48をはじめとするAKB48の姉妹グループなど、特定の地域を拠点に活動をしながら、地元の後押しを受けて全国区の人気を獲得していったアイドルグループは少なくない。メディアプロデューサー金子正男氏が代表を務める「日本ご当地アイドル活性協会」によると、地下アイドルなども含め、現在日本にご当地アイドルは女子2581組、男子491組がいるという。多くのアイドルたちが地域活性などに貢献している。
日向坂46はもともと特定の地域に根差したわけではない。名前に「日向」がつくというちょっとした理由から、宮崎とのつながりが生まれた。宮崎県がかつて日向国(ひゅうがのくに)の名で呼ばれ、日照時間が長く「日本のひなた」とも言われることから、テレビ東京「日向坂で会いましょう」内で、佐々木美玲(24)がフェス計画を発案した。
今月にはグループとして「みやざき大使」に就任した。「フェス」の名の通り、スタジアムのあるひなた宮崎県総合運動公園では「ひなたエキスポ」と銘打ち、さまざまな地元企業の飲食店、自治体などのブースが多数出店した。ライブ前には園内で地元高校吹奏楽部なども参加したパレードも行われた。JR日向市駅は、期間限定で「日向坂46駅」となった。
SDGsにも取り組み、9日にはごみ拾いなどのクリーンイベント「SNOOPY Loves NATURE “Team up!” in ひなたフェス2024」も開催された。メンバー14人もサプライズで参加した。気温は30度近くまで上昇し、ライブ翌日で疲労困憊(こんぱい)だったはずだが、トングとゴミ袋を持ってゴミ拾い活動に取り組んだ。抽せんで選ばれた参加者たちにとっては最高の思い出となったはずだ。
会場周辺以外でも、宮崎は「日向坂46」一色だった。宮崎駅周辺はじめ、多数の店舗や商業施設がコラボし、至る所にメンバーのポスターやパネル、フラッグなどが置かれた。バスも増発し、総出で対応していた地元の交通関係者も「(プロ野球の)キャンプより人がすごい。本当にありがたいです」と喜んでいた。飲食店では、席が隣り合った初対面の客同士がそれとなく「おひさま(ファンの愛称)ですか?」と確認し合い、“推し活”の話題で花を咲かせる一幕も見られた。
宮崎では8月8日、日向灘を震源とするM7・1の地震が起き、同月末には台風10号や竜巻の被害も受けた。河野俊嗣宮崎県知事はライブ開演前のVTRで「そのような状況で『ひなたフェス』が開催をされ、全国各地から多くのおひさまにお越しいただけましたことは宮崎県民にとって本当に元気をいただける明るいニュースです」とし、ファンや日向坂46のメンバー、関係者らに感謝を伝えていた。もともと全国区のアイドルが、ここまでの大きな規模で特定の地域とコラボを完遂した意味は大きい。
日向坂46は若手の正源司陽子(17)藤嶌果歩(18)の「しょげかほ」コンビがダブルセンターを務める新曲「絶対的第六感」を9月18日にリリースし、11月からは全国ツアー、ツアーファイナルにはグループ2度目の東京ドーム公演も控えている。「ひなたフェス」を機にファンとなり、宮崎から東京ドームに足を運ぶおひさまも少なくないだろう。今後の日向坂46にとっても、「日本のひなた」の存在は大きな、温かい後押しとなるはずだ。【横山慧】