<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
ライブなどでアーティストを取材する機会に恵まれると、リスペクトの念を抱く瞬間がある。先日、昨年12月にソロデビューした中島健人(30)の初ライブ「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 “N / bias”」の最終公演を取材した。
ライブ前の囲み取材、中島は「人間って挫折や失敗を経験すると、表現の枠、幅みたいなのが厚み増すんです」と口にした。中島と言えば、グループ時代から一切のほころびを感じさせない完璧なイメージ。10代から活躍し、紆余(うよ)曲折を感じたことはあったのだろうが、“挫折”という言葉と、記者がイメージする中島はどうもすぐには混じり合わなかった。
その挫折について問われると「この振り付けむずいなとか、与えられてこなかった振り付けって俺できなかったんだと。『これ中島さんできますよね?』『これ当たり前にできますよね?』とか、意外にできなかったことがあったりして」と明かした。昨年3月末にSexy Zone(現timelesz)から卒業。環境を一新し、夜眠れない時期もあったという。「いろんな失敗とか挫折がありました。僕は完璧じゃないので」。不格好な瞬間も認める姿が人間らしいというか、新鮮というか。おこがましいが、ちょっとだけ親近感も抱いてしまったり。
今ツアーは3日間4公演で計6万人を動員。この日も、1人ステージに立ち続け、1万5000人を飽きさせることなく魅了した。ステージを鑑賞しながら、中島の「自分に目線が行くのであれば、その分の答えを表現で出さないといけない」という言葉が反すうした。ライブの感動もさることながら、中島自身が自分を律するというか、言い聞かせるように口にする言葉の数々が印象に強く残った。年明け早々、背筋が伸びるすてきな時間。中島と同世代の記者は頭が下がる思いでした。【望月千草】