「ジュラシック・ワールド」新作の監督・脚本コンビが明かしたスピルバーグの無邪気な実像

映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」ギャレス・エドワーズ監督(左)と脚本のデヴィッド・コープ氏

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

「SFや怪奇映画のことになると、もう話が止まらない。目が輝く。ボロボロとクッキーのくずがシャツに付いても気にしない。というか気付かない」

若き日のスティーヴン・スピルバーグ監督の様子だ。ハリウッドの脚本家レナード・シュレイダー氏の夫人で、自身も「MISHIMA」などの脚本に参加したチエコさんからそんな話を聞いたことがある。シュレーダー氏は弟のポール監督やジョージ・ルーカス、スピルバーグとともに、すでに巨匠の域に達していたフランシス・フォード・コッポラのもとに集ったいわゆるコッポラ・ファミリーの一員だった。スピルバーグは年長のシュレイダー氏の家を時々訪れたという。

そんなスピルバーグ監督の逸話を思い出したのは、先日都内で行われた「ジュラシック・ワールド/復活の大地」(8日公開)の上映イベントで、相も変わらぬ少年ぽい一面が明かされたからだ。

スピルバーグ監督が生み出し、今回7作目となるシリーズで第1作から関わった脚本家のデヴィッド・コープ氏は言う。

「スティーヴンは100本撮ろうと200本撮ろうと、インスピレーションがあふれていることに変わりがない。今回脚本を引き受けることになってから、朝起きてパソコンを開けると毎日三十数本のメールが彼から届いている。その1本1本にびっしりとアイデアが書かれているんだ。そして、もちろん昼間もメールは止まない。彼はアイデアが浮かぶと、まるで少年のようにいてもたってもいられなくなるんだね。24時間彼のアイデアに追いかけられている気分だったよ」

32年前の第1作の緊張も明かした。スピルバーグ監督はすでに「E・T・」や「インディ・ジョーンズ」などを撮っていて、ハリウッドを代表するヒット・メイカーになっていた。16歳下のコープ氏にとっては雲の上の存在だ。

「依頼を受けて(マイケル・クライトン氏の)原作を読み、スティーヴンにプレゼンすることになった。ガチガチだったね。あの時の緊張と言ったらなかった。だから、今回スティーヴンから『また恐竜映画を』と連絡を受けたときに胃がキュッとなったのはあの緊張を思い出したからだと思う」

今作では総指揮にまわったスピルバーグ監督に代わってメガホンを取ったのが「ローグ・ワン/スター・ウォース・ストーリー」のギャレス・エドワーズ監督だ。

「第1作を見たのが16歳の時でした。スピルバーグ監督は唯一無二の魔法の瞬間を生み出す人です。畏れ多い依頼でしたが、他の監督の名前がこの作品のポスターに載るのはあまりにも悔しいのでチャレンジすることにしました」

コープ氏よりさらに12歳若いエドワーズ監督の言葉から改めてこのシリーズの歴史を実感する。

「今回が8回目の来日。昨年は日本で撮影もしました。怪獣発祥の地ですからね」と「ゴジラ」オタクの一面ものぞかせた。

コープ氏も「幼い頃、テレビでよく日本の怪獣映画を見ました。『東宝』のロゴにワクワクしたものです。あれが恐竜イメージの原点です」と明かした。

若き日のスピルバーグ監督がクッキーのくずをつけながら語った「怪奇映画」の中には当然日本の怪獣映画ものもあったはずで、それがあふれるアイデアの源になっていると思うと感慨深い。【相原斎】