元自民衆院議員で実業家の杉村太蔵氏は28日、フジテレビ系の情報番組「サン!シャイン」(月~金曜午前8時14分)にスペシャルキャスターとして出演。番組は、人気漫画「スラムダンク」の「聖地」としてオーバーツーリズムの問題が深刻化している鎌倉市の江ノ電「鎌倉高校前駅」前の踏切の問題を特集した。この話題をめぐり、杉村氏と作家遙洋子氏とが、一触即発の雰囲気になる一幕があった。
番組では、踏切周辺の状況をリポート。交通ルール無視の観光客に、パトカーも出動し「写真を撮っている方、歩道に入ってください。車道に出ないでください」と指示するがいたちごっこが続いているという。警備員が注意しても、観光客は動かない。階段に座り込んで休む観光客も多く、住民が通れないほどに。大勢の観光客を乗降させるワゴン車複数台が停車して、交通の妨げに。注意した住民と観光客がトラブルになり、警察に相談するケースも出ているという。
さらに、近くの病院では、観光客が勝手にトイレを使ったり、コンセントから盗電する行為が後を絶たず。周辺の住宅の庭で排尿、排便も目撃されているとした。鎌倉市は観光公害対策に5400万円をかけているという。
杉村氏は「これは本当に難しい。市の立場からすると、この人たち、少しでも宿泊してくれるなら宿泊税とかである程度財源で対策できるけど、鎌倉の場合は、日帰りの方も多い」と指摘。城西国際大学観光学部の佐滝剛弘教授も「(鎌倉は)宿泊の方は全観光客で5%ない」と補足した。杉村氏は「行政からすると、対策費の財源をいかに確保するかというのは本当に悩ましい問題ですね」と語った。
その上で、杉村氏は政府の観光戦略に触れ「あんまり住民のみなさんを脅かすわけじゃないですけど、政府はこれから、まだまだ観光客を入れようとしているわけですよね。2030年までに6000万人。今の倍ですよね。みなさんこれから今の倍、観光客来るわけですよ。そうすると、観光公害、いまやってますけど、ますます深刻化してくる」と指摘した。
杉村氏から「我が国が受け入れる観光客のキャパって本当6000万人って正しいのか、先生どう考えます」と問われた佐滝氏は「その通りですね。数字先にありきで、もっと言えば財布をあてにしている。6000万人と何兆円という金額が製造業が立ち行かなくなりつつある日本で次の経済の柱になるということで決まった。それぞれのところでオーバーツーリズム対策やってますけど、根本はもっと入れようというその大きな前提がある」と語った。
杉村氏が「今の倍来ますからね」と応じたところで、遙氏が「何千万人来るの前に、太蔵さんの語気の強さが怖いわ」と、熱っぽく語る杉村氏にツッコミを入れた。スタジオに笑いが広がったが、杉村氏は「すごく重要なことだと思います」と訴えた。これに対し、遙氏が「そんなに脅されなきゃいけないくらい怖いことが未来ある?」と問い直すと、杉村氏は「いやいやだって現時点よりも政府は倍入れようとしてるわけですから」と説明。この説明の声がやや抑えた声になると遙氏が「急に小さく…」とさらに一言投げかけると、杉村氏は「結構真剣に考えなきゃいけないと思いますけどね」と語り、遙氏の方を厳しい目つきで一瞥した。
ちょっとしたトークの一幕だったが、やや不穏な空気を感じ取ったのか、MCの谷原章介が割ってはいり「日本全国、僕たちの住んでるところが、いきなり観光地化することがあるという意味ではとても重大な問題だと思います」と収めた。