歌手の橋幸夫(はし・ゆきお)さん(本名橋幸男=はし・ゆきお)が4日午後11時48分、肺炎のため亡くなった。82歳だった。1962年(昭37)に橋さんとデュエットした「いつでも夢を」で第4回日本レコード大賞を受賞した、吉永小百合(80)が追悼のコメントを発表した。同曲が楽曲に使用された、自身の最新CMが1日から放送されたばかりで「2人で歌った『いつでも夢を』は私の宝物です」と悲痛な思いを吐露した。
◇ ◇ ◇
「いつでも夢を」のインストゥルメンタルが、柔らかく流れる中、ほほ笑む…。自身が出演する自然由来スキンケアブランド「五島の椿」の新テレビCMが全国で流れ始めてから3日後に、デュエットした橋さんが旅立った、やるせなさが吉永の口からあふれ出た。「残念です。とても残念です。橋さんは、いつまでも歌い続けようと思っていらしたことでしょう」。
「いつでも夢を」は、17歳だった同年に「寒い朝」で歌手デビューした吉永にとって、かけがえのない1曲だ。累計260万枚と大ヒットしたことを受けて、翌63年には橋さんとの主演映画「いつでも夢を」(野村孝監督)が製作・公開され、主題歌にも採用。吉永は貧しい人々を助ける看護師、橋さんは吉永演じる看護師に声をかけるも、ふられる運転手を演じた。
吉永は、68年の日本レコード大賞10周年記念音楽会で歌って以降「いつでも夢を」を生で歌唱することはなかったが、18年2月5日に札幌市内で行われた北海道命名150年特別イベント「キタデミー賞」授賞式で50年ぶりに生披露。同年の第60回日本レコード大賞で番組のオープニングナレーションを務めると、60回を振り返るコーナーでは「いつでも夢を」の歌詞を朗読した。
橋さんが純白のスーツ、自身が薄い桜色のドレスを着て肩を寄せ合って歌った、あの日から、今日まで「いつでも夢を」は、吉永の胸の奥に、いつもあった夢だった。「2人で歌った『いつでも夢を』は私の宝物です。橋さん、ありがとうございました」。悲しみの先には感謝しかなかった。