吉永小百合(80)の主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督、10月31日公開)が、10月27日に開幕する第38回東京国際映画祭のオープニング作品に決定した。
同映画祭事務局が8日、発表した。オープニング作品は、23年は審査委員長を務めたドイツのヴィム・ヴェンダース監督(80)が手がけ、主演の役所広司(69)がカンヌ映画祭(フランス)を受賞した「PERFECT DAYS」。24年は山田孝之(41)が主演し、1960年代前半の東映の「集団抗争時代劇」を現代に復活させた「十一人の賊軍」(白石和彌監督)と、話題の大作が続いてきた。今年は吉永が、オープニングを華やかに彩る花になる。
阪本順治監督(66)は「オープニング上映と聞き、大変うれしく思います。映画を作る工程、作業の形態が様変わりしても、大きなスクリーンと繊細な音設計で観客の皆さんに楽しんでもらえるその喜びは、アナログの時代から変わりません。ましてや、時代を越えてスターであり続ける吉永小百合さんの存在は、いつだって私たちの宝です。どうか、皆さま、劇場へお越しくださいませ!!」とコメントした。
「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、吉永にとって124本目の映画。女性として初めて世界最高峰のエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの15年の著書「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)を原案に、吉永は田部井さんを元にした多部純子を演じた。阪本監督とは、12年「北のカナリアたち」以来13年ぶりに再タッグを組んだ。
吉永は田部井さんと、12年にTBSラジオ「こんばんは 吉永小百合です」(日曜午後10時半)で対談。田部井さんは16年10月に腹膜がんのため77歳で亡くなったが、その3カ月前に高校生と富士山に登ったのが人生最後の登山となった。そうした事実を踏まえ、24年8月にクランクインした撮影中、79歳だった吉永が田部井さんにならい、耳にピアスの穴を開けたことも話題となった。純子の青年期を、のん(32)が、佐藤浩市(64)が、田部井さんの夫政伸さんをモデルにした夫の正明、正明の青年期を工藤阿須加(34)が演じる。元読売新聞記者の北村節子さんがモデルとなった、純子の山仲間で親友の編集者北山悦子を天海祐希(58)が演じる。
東京国際映画祭の市山尚三プログラミング・ディレクターもコメントを発表した。
「実在の女性登山家とその家族を描いた『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、主役を演じられた吉永小百合さんの圧倒的な存在感と、阪本順治監督の的確な演出とで、今年の日本映画を代表する感動作となりました。世界の観客もまた、この映画に感動してくれると確信しています。この素晴らしい作品で東京国際映画祭を開幕できることを光栄に思います」