田中麗奈(45)が、映画「黄金泥棒」(萱野孝幸監督、26年4月公開)に主演し“泥棒主婦”を演じることが16日、分かった。平凡な日々に退屈していた中、金のおりんを盗み、金の魅力に取りつかれ、100億円の秀吉の金茶碗を盗む計画を企てるは専業主婦を演じる。金のおりんを販売する会社の社員の、やり手サラリーマンを初共演の森崎ウィン(35)が演じる。
「黄金泥棒」は、萱野孝幸監督(34)が世間を騒がせた事件から着想し、脚本も手がけたオリジナル作品。主人公の藤根美香子は専業主婦で「普通であることが幸せ」と言い聞かされ育ち、どんなに退屈な日々も自分に無関心な家族もやりすごしてきたが、出来心から百貨店で数百万円もする金のおりんを盗んでしまう。そのことをきっかけに、金の魅力に取りつかれてしまい、世界が一変し「私にしかできないことをする」という幼き日の夢がよみがえり、無謀な計画を立てる。そんな美香子の滑稽ながらも愛らしい姿がクスっと笑えるクライム・コメディーだ。田中は「退屈で普通な毎日を重ね過ぎていた美香子が、普通の道から少しずつ脱線していくスリルとおかしみ」と作品を評した。
演じる美香子は、金に魅了されて犯罪に手を染めた途端、人生を輝かせるために疾風怒濤(どとう)のごとく駆け抜ける中で、なし崩し的に泥棒の共犯者となった夫の浮気など、連続でトラブルに見舞われる。長編映画への主演は23年「福田村事件」以来だが、常に危なっかしくも憎めない美香子を、チャーミングかつユーモラスに演じ、芝居の引き出しをさらに広げた姿を披露。「最初『私が人生で演じるという手段を手に入れてなかったら、もしかしたら美香子のようになっていたかもしれない。。』と、私の分身だと感じながら撮影を重ねていきましたが、だんだんと美香子が“私を使って”人生を謳歌(おうか)していくような感覚になりました」と撮影を振り返った。
森崎が演じる金城光輝は、美香子が盗んだ金のおりんを百貨店で販売した株式会社SGCの社員で、盗難騒動を社のPRにせんと彼女を利用しようとする役どころだ。満たされない美香子の心に闘志を燃え上がらせ、互いをだまし合う駆け引きを展開する、クセの強い男だ。森崎は「僕が俳優デビュー前から存じ上げていた、長年活躍をされている田中麗奈さんとご一緒できた事、とてもうれしく思います」と田中との共演を喜んだ。「少し意地悪な光輝を演じていて大変な場面もたくさんありましたが、思い切って暴れさせていただきました。きっと映画を観られたあとは嫌われそうな気がします」と、笑いつつ作品を評した。
劇中にも登場する、株式会社SGCの協力のもと総額数百億円にものぼる本物の金工芸品の数々が登場するのも、大きな見どころとなりそうだ。田中は「萱野監督は、脚本も演出も非常に綿密でこんな所まで見てくださってるのかと感動するほど。監督を筆頭に若いチームの皆さんと撮影を共にしてたくさんの刺激を受けました。森崎ウィンさんは、役作りのためにできる男のリサーチをされていたり、人間観察をしたりと、いろいろ材料を集めて金城光輝という一癖ある役をとても魅力的に演じていらっしゃいました」と萱野監督と森崎に感謝。「映画好きな方はもちろん、普段、映画館へ行かない方、時間があるから映画を見てみようという方、ぜひスクリーンの前に座って見て欲しい。必ず楽しい映画体験ができる作品だと思います」と力を込めた。
森崎は「細部まで細かな演出やこだわりを現場で学び、刺激的な日々を過ごさせていただきました。過去に類を見ない新感覚のクライムヒューマンドラマ! 今作が黄金なる輝きを放つ瞬間を劇場で見届けいただける事を願っています!!」と期待した。
萱野孝幸監督も、コメントを発表した。
「田中麗奈さん演じる“泥棒主婦”こと藤根美香子。常に危なっかしくも憎めない、最高にチャーミングなキャラクターが誕生しました。撮影中、悲壮感すら感じさせる平凡な主婦が、刺激を得るたびに輝きを増していく様は、見ていて魔法のようでした。詳細は控えますが、終盤のとある1カットにおいて、本当に光っていたのではと錯覚するほど、田中さんがきらめいています。ぜひ、劇場の暗闇の中で、ゴールド群と俳優陣が放つ輝きを浴びていただけると幸いです。目指したのは、どこかクラシックな香りのする、等身大のクライム・コメディーです。この作品が、黄金のように100年後にも残る映画となることを願っています」