新野新さん7月に生前葬、テレビ憂い「どの番組見ても一緒」最期は眠るように旅立つ

新野新さん(07年11月)

放送作家の新野新(しんの・しん、本名同じ)さんが9月25日午後8時2分、老衰のため、大阪市内の病院で亡くなった。2日、門弟が明らかにした。90歳だった。葬儀告別式は近親者のみで行われた。門弟によると「お別れの会は生前に行っており、予定はありません」という。

新野さんは1958年、早稲田大学を卒業後、放送作家として、大阪のテレビ・ラジオを支えつつ、自らも出演。代表作には“深夜ラジオに革命を起こした”と言われるラジオ大阪「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」があり、笑福亭鶴瓶とのトークが人気を集めた。

コメンテーターとしても活躍し、故やしきたかじんさんら、関西の名物番組にも多く出演した。

今年6月には卒寿祝いとして、新野の半生を、本人の証言と著名人の証言を交えてつづった「小バラ色の人生 新野新で語る大阪放送界史」が、門弟による編集で出版された。

門弟の鹿島我氏によると、その出版記念と卒寿祝いをかねたパーティーを7月1日に行い、新野さんは医師から2時間限定でヘルパーを帯同して参加した。

「お別れの会もやってしまおう」と“生前葬”も兼ねており、タレントの西川きよし、弟子ののりお、落語家月亭八方、桂南光、漫才コンビ、トミーズ雅らが駆けつけた。「先生、僕のこと覚えていますか」などと話しかけ、大いに盛り上がったという。

9月上旬に入院、16日に退院し安心していたのもつかの間、25日に眠るように亡くなった。

長く関西のテレビ、ラジオを支えた新野さんの死に、鹿島氏は「自分の母親が亡くなった時よりショックです」。

鹿島氏が見舞いに行っても、常にテレビは付いていたが、内容については「見るもんない。どの番組見ても一緒や、おもしろくない」と憂いていたという。【阪口孝志】