俳優市村正親(76)が6日、都内のシアタークリエで、主演する音楽劇「エノケン」(7~26日、同所など)の囲み取材と公開ゲネプロに臨んだ。
昭和を笑いで照らした「日本の喜劇王」、エノケンこと榎本健一の波乱の人生を、芥川賞作家でお笑いコンビ、ピースの又吉直樹(45)が新作戯曲として書き下ろした。エノケン役の市村は「僕はほとんど悲劇が多いんですけども。今回は喜劇をしっかりやろうと思って一生懸命、勉強してね。年齢に負けないようにパワフルにエノケンを演じております。どうぞお楽しみに!」とアピールした。
市村は全編、出ずっぱり。歌って踊って、芝居で笑わせて泣かせる。「全部見せ場です。苦労? 全部です」。共演者が心配するほどだが「体が持つかな。持たせます、ははは」と豪快に笑った。
息子役を演じる本田響矢(26)も「ずっと元気です。疲れているところとか見たことがない」とその鉄人ぶりに驚く。市村は元気の秘訣(ひけつ)を「肉です!」と話し、「やっぱりね、肉は食わないとダメですね。野菜と魚だけじゃダメだな。肉を食わないと力が出ない感じがしますね」。本田に向かって「今回は肉を食べます。な!」と力強く同意を求めた。
昭和初期の物語とあって「僕自身が役者を目指してはや54年ですかね。目指そうと思っていた頃の青春を思い出しながらやってる部分はありますね」。俳優人生が長くなり、自身を重ねながら実感として演じられる部分が多いという。「笑わせるよりは、生きるつらさの方が主戦かなって感じがします」と言い、「彼の私生活や稽古場、根底にある部分はあまり知られていない。その部分をしっかり演じていきたいなと思っています」と意気込んだ。
妻役の松雪泰子(52)と、豊原功補(60)も出席した。東京公演後、11月に大阪、佐賀、愛知、埼玉で上演する。