日本はいい国? 近藤真彦の出張取材でプライスレスなトートバッグを…

近藤真彦

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

今月3日に北海道・小樽市民会館で歌手近藤真彦(61)のコンサートツアー「近藤真彦 爆音雷舞集会(笑)~F愛上等伝説~」を取材した。小樽といえば俳優の故石原裕次郎さんが育った街。裕次郎さんの代表作「嵐を呼ぶ男」のリメーク作品に主演したことのある近藤も感慨深げだった。東京と違い、リラックスした雰囲気の取材となった。近藤とも、いろいろ話すことができた。ただ、個人的にはとんだ珍道中となってしまった。

近藤の出張取材は、今年3月の台湾公演以来。前回は、1カ月近く前からかばんに入れて後生大事に持っていたパスポートが、以前の期限切れのものであることが、羽田出発2時間前に発覚。羽田空港と自宅を、タクシーをぶっ飛ばして往復して、出発30分前に到着してギリギリセーフ。今回は、パスポートなしだから余裕しゃくしゃく。出発前日には取材陣のグループLINEに「パスポートしっかり持ちました」とボケをかました。

そして当日。集合場所の第1ターミナル3番時計に集合2時間前に到着して「丸亀製麺羽田空港第1ターミナル店」で明太釜玉うどんにレンコン天とちくわ天をトッピングして腹ごしらえ。あとは3番時計が見えるソファで、ひたすらたまっている原稿書き。搭乗手続きを済ませ、出発ゲートのソファに座って、またまた原稿書きをした。

搭乗時間がやって来て、飛行機の座席に座ったのが出発15分前。パソコンやら商売道具一式が入ったリュックを前の座席の下に押し込んで…ない、ないのだ。23年間も愛用のプライスレスな紺色のトートバッグがない。

どこかに忘れた。最後に見た記憶は、丸亀製麺のカウンターの下にリュックと一緒に置いた時。3番時計の下のソファ、出発ゲートの前のソファ、おトイレ……。座席に向かう人に逆らって戻り、CAさんに「すみません、荷物を忘れました」「どこにですか」「搭乗ゲート前のソファかも」。というわけで、係員さんと一緒に搭乗ゲートまでもどって、ゲートの中から「あのあたりに座ってました」と伝えて探してもらったが、ダメ。

「お客さま、出発時間でございます。このまま行くか、降りて探されるか」。CAさんの声が、遠くに響く。全てを諦めて、座席に戻って座り込んだ。パンツ、靴下、ハンカチなどがそれぞれ2日分。ホワイトデニム1本、日本武道館で買ったエリック・クラプトンのトレーナー、ゴーグル、水泳帽…トートの中身は約4万円。だが、バッグ自体はプライスレス。

とりあえず、新千歳空港に着いた。移動の車に乗り込んだ後、羽田空港の忘れ物係にラブコールばりに電話した。「もしもし、羽田空港第1ターミナルの『丸亀製麺』から時計台3番を経て、新千歳行きのゲートまでの間で、着替え一式が入ったバッグを置き忘れてしまったのですが…」。さらに丸亀製麺に電話も、見つからず。

まぁ、そうは言っても、東京に帰るまでの辛抱。お酒もそこそこに“日付変更線”を越える頃にはホテルに戻って、翌日は早起き。ノーパンにノーソックスと、石田純一よりもカッコよく? 出発。新千歳空港に向かう車の中から、羽田空港の忘れ物係に電話すると…ダメ。そして、京浜急行の忘れ物係に電話すると「届いてますよ」との声が!

羽田に着いて、京浜急行の第1ターミナル駅に直行してバッグを受け取る。発見されたのは、なんと「丸亀製麺」だった。電話した時には「ない」と言っていたのにと思い、よく調べると間違って「丸亀製麺空港第2ビル店」に電話をしていた…!

とりあえず、グループLINEで「バッグ無事確保」と報告。皆さん、喜んでくださいましたが「次は何を忘れてくるのかな」という、期待と哀れみの様子もうかがわれた。

皆さんも、忘れ物に気をつけましょう。日本は忘れものがちゃんと出て来るいい国だ。それだけは間違いないです。【小谷野俊哉】