<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
俳優唐沢寿明(62)が主演を務めるテレビ東京ドラマ9「コーチ」(金曜午後9時)の制作発表会見を取材する機会に恵まれた。唐沢は同局の連続ドラマ出演は約7年ぶりで、伸び悩む若手刑事に的確なアドバイスを与えて魔法のように潜在能力を引き出す“コーチ”向井光大郎を演じる。
これまでテレビなどで見ていた際は年齢を感じさせない爽やかな黒髪の印象が強かったが、同作では長い白髪を後ろで結び、ひげを蓄えた「さえないおじさん」姿を披露。登場した際は唐沢だと分からなかったほど印象とギャップがあったが、会見が進むにつれて“名伯楽”らしいビジュアルもなじんでいった。
会見で壁を乗り越えるための方法を問われると「今の若い世代の人たちってあいさつをしないと言うけど、あいさつも意外と簡単なこと。僕は若いころはいつもニコニコして人当たりのいい人がいやだったけど、一度まねしてみたら人間関係がすごくうまくいった」とあいさつの重要性を熱弁し、「自分が変わらないと周囲も変わらない。俳優にも生きています」と語った。
記者は現在24歳で、唐沢が指す「若い世代の人」の1人のはずだ。記者自身スポーツ経験が長く、あいさつに関して厳しく指導されてきたため、会った方へあいさつする意識はしている。それでも、そこまで愛想がよくないがゆえに相手とうまくやりとりができないと感じる機会が、仕事でもプライベートでも多くはないにしろたまにある。
実際、にこやかで愛想のいい先輩記者には人は自然と近寄っていくし、交友関係の広さを話す役者やタレントは例外なく常に笑顔であいさつのすごく爽やかな印象がある。「柔らかい雰囲気で会話するように心がければ、より楽しく仕事ができるようになるぞ」…。そう直接アドバイスされているような気がした。
この日の会見に出席したキャスト陣からは、唐沢からアドバイスを受けたエピソードや、感謝の言葉が次々と出ていた。唐沢の話しかけやすい人柄や雰囲気の柔らかさは、第一線で長く活躍し続けられている理由の1つとしてあるはずだ。記者もこうした言葉を1つ1つかみしめて、人間として一皮むけられるように変わりたいと思った。向井さんに“コーチ”されたような会見だった。【野見山拓樹】