山田裕貴(35)が19日、都内で行われた新著「怪人」(東京ニュース通信社)発売記念記者会見で「準備できているのか? これは良い俳優なのか? と自分に問うている日々」と現状を語った。その上で「ネガティブに書かないで欲しいんですけど」と取材陣に呼びかけた上で「何とかやってきたけど。ハイレベルのものをやる上で落とし込む、勉強する、精度を上げる時間が圧倒的に足りない」と本音を吐露。「ぜいたくは言わないから、勉強する時間が欲しいです。ぜいたくを言うのであれば、ちゃんとした休暇…それを考えなくて良い時間」と口にした。
今年は「木の上の軍隊」(平一紘監督)「ベートーヴェン捏造」(関和亮監督)「爆弾」(永井聡監督、31日公開)と主演作が3本、公開。加えて、26年春にTBSでスペシャルドラマとして地上波放送、U-NEXTでドラマシリーズを独占配信する「ちるらん 新撰組鎮魂歌」に主演することも発表されている。山田は「(主演映画3本の撮影は)5カ月の間、3本やった。クランクアップした、次の日から『ちるらん』のアクション練習を10日間、ぶっ続けでやって、そのままインとか、とんでもない」と、過酷なスケジュールも明かした。
周囲の期待も大きくなる中「何とかしたい。これで準備できているのか、という不安がある。作品期間を持って作品に挑むわけだし。100作以上やってきた」と、映画界を支える立ち位置にもなってきた。その「山田君、すごい、すごい、と言われても、もうちょっとできたかも知れないな、と思っている自分がいるのが、ものすごく嫌」と中葛藤を口にした。
欲しいものを聞かれると「2つあります。ぜいたくは言わないから、勉強する時間が欲しいです。ぜいたくを言うのであれば、ちゃんとした休暇…それを考えなくて良い時間」と即答した。「休みたいということじゃなくて、自分の心のキャパを増やすためにも、1回リセットして、いろいろな準備をしたい。準備する前の休暇と、熱量を高めるためにもそういう時間が欲しい」と説明した。
さらに「文句を言っているわけじゃないんです。僕は、とにかくありがたいんです。エキストラから、この仕事をやっていて、セリフがあるだけで、主演作をやれるだけでマジでありがたいんです」と主演作が相次ぐ現状に感謝した。その上で「自分と戦わなきゃなと思う。でも、ありがたいだけじゃ、みう、やっていけないところにまで、もしかしたらきたのかも知れない。僕が来られたんじゃなく、支えてくれた人のおかげ…そこですね。バランスを取らないと。今の全力は全て出し切っているんで…納得できないということじゃなく」とも語った。
「怪人」は、山田が“役を生きる”をテーマに’19年から25年の約6年間に渡り「TVガイドdan」で連載してきた「山田裕貴の怪人百面相」がアップデートされ、1冊となった。誌面では掲載し切れなかった全30テーマのアザーカットのほか、撮り下ろしロケの写真も掲載。「怪人」は“役者”と“1人の人間”としての山田裕貴の二面性をテーマに構成。俳優としてさまざまな人生を生き続ける山田の本質を多角的にひもとくようなストーリー仕立てで展開。いろいろな人や職業、時には人ならざるものなどになりきった。
山田は、出版の経緯を熱く語った。「こういうものを発売させていただくのは3冊目。(過去は)写真集、2冊…仮に選んだものを、こういうテーマでいきたいんでとやらせていただいて。熱意を持って、まとめ本にしませんかと言ってくださって」と切り出した。その上で「意見をいろいろ言ってページを変えるのをやめて、お任せして側から…演じている僕というのを連載から表現していた。誰かから見た僕、というのも面白いかと思った。本を出すの、もういいんじゃないか…というのもあったんですが…無理難題も掛け合って、やってくださった」と続けた。
そして「俳優は、がわで見ることで語られる。ここで語ったことも、どう伝わっていくか分からない。(雑誌では着ぐるみも着て)普通の俳優が(自身の写真で)ページ重ねる中、僕のページだけ、顔が出ないという面白いことをしたかった。ファンに形になるものへ恩返ししていない。ファンの方へ1つ、ありがとうという形で」と強調。「8年もファンの方に、手に取って読めるものがなかった。そういう人の1冊」と口にした。
今後、しっかり充電し、準備ができたとして、やりたいこと、挑戦したいことは? と聞かれると「あろうがなかろうが、全力でやっている俳優だと思います」と力を込めた。