山田裕貴コロナ禍でファンに「お金を使うのは映画だけ」思いも8年ぶり出版で着ぐるみ着た真意

新著「怪人」発売記念記者会見を開いた山田裕貴(撮影・村上幸将)

山田裕貴(35)が19日、都内で新著「怪人」(東京ニュース通信社)発売記念記者会見を開いた。13年7月にファースト写真集「山田裕貴」、17年11月に2冊目の写真集「歩(あゆむ)」を出版し、書籍としては8年ぶりの出版となったが、席上で「コロナ以降、ファンの方にお金を使っていただくのは映画だけ…作品のためだけにしたかった」と映画と愛、両方への愛を口にした。

「怪人」は、山田が“役を生きる”をテーマに’19年から25年の約6年間に渡り「TVガイドdan」で連載してきた「山田裕貴の怪人百面相」がアップデートされ、1冊となった。誌面では掲載し切れなかった全30テーマのアザーカットのほか、撮り下ろしロケの写真も掲載。「怪人」は“役者”と“1人の人間”としての山田裕貴の二面性をテーマに構成。俳優としてさまざまな人生を生き続ける山田の本質を多角的にひもとくようなストーリー仕立てで展開。いろいろな人や職業、時には人ならざるものなどになりきった。出版した裏には「8年もファンの方に恩返し…手に取って読めるものがなかった」という思いがあった。

企画について聞かれると「『月』というテーマは正面の明かりを変えるだけでページをめくっても(写真は)僕の顔がドンとあるだけ。雑誌ではありえないじゃないですか? 無理難題も言ったりしたけれど、掛け合って、やってくださった」と振り返った。さらに「着ぐるみという回は、6ページのうち5ページ、僕の顔が出ない。本当に着ぐるみwpかぶって、代々木公園で子供たちに急に絡んでいった」と続けた。

お気に入りのカット、テーマを聞かれると「着ぐるみ…アリ、クラゲ。人じゃないんですけどね。そういうのにもチャレンjした」と即答。その上で、書道にも挑戦したと振り返った。「書道家。その日、その場で文字書いたら、マジでメチャクチャ良くできて…えっ? 俺、才能があるみたいに思えたくらい。なかなか良いものができた。チャレンジって、大事だなぁと」と振り返った。

着ぐるみを着て撮影したことには、大きなこだわりとテーマがあった。「雑誌なのに顔が出ないという、とっぴなことをやってみたかった。本当に中に俺が入っているか分からない状態って…今の世の中に似てるなと、そういうメッセージ性もあって」と、時代性を考えてのテーマだったと明かした。特に難しかったのが、アリの着ぐるみだったと語り、その制作過程を詳細に振り返った。

「スタジオに吊してあった紙を、クシャクシャにして、土の中みたいにしませんか? とやり始めた。そうしたら、衣装もこうした方が良いかと、みんなで盛り上がってきて、アリだし、メークしなくて良いかと半素面みたいな感じ。普段、そんなことないんだけど、スタジオのスタッフも乗ってきた。めっちゃクリエーティブにしてるやんと思ったら…ハイブランドのモデルさんくらいのできになった」

当時、連載していた「山田裕貴の怪人百面相」について「そろそろ、ネタが尽きてきたし、100やりたいねと言ってきたけれど、終わらなきゃいけないかな」と感じていたという。それが、アリの着ぐるみに挑んだことで「アートって、こういうことだな。その場で即興で、どれだけ予算がなくて…とか、あっても、僕らの頭ひとひねり、心ひとひねりで、どんなものにでも昇華できると考えられたのがアリだった」と、試行錯誤し、生み出すことの大切さを再確認できたという。それで「(連載は)アリで持ち直した。その経験はお芝居の現場でも、どんだけ今の現場が、自分の中で気持ちが作りづらくても、頭ひとひねり、心ひとひねりで、どんだけでもやってやると思えたのがアリだった」と、芝居の向き合い方、作り方にも大きなプラスになったと強調。「今は、アリにアリガトウ」と、ジョークを交えて感謝し、集まった取材陣を笑わせた。