東京国際映画祭ガラ・セレクションに出品された、元日向坂46齊藤京子(28)の初主演映画「恋愛裁判」(深田晃司監督、26年1月23日公開)の公式上映が28日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。
「恋愛裁判」は「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事を目にした深田監督が、実際の裁判に着想を経て、自ら企画・共同脚本も手がけ、約10年に渡る構想を費やした意欲作で、日本独自のアイドル文化とその暗黙のルールに鋭く切り込んだ。齊藤は劇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務め、恋に落ちる人気アイドルの山岡真衣を演じた。この日は、ハッピー☆ファンファーレのメンバー清水菜々香役を演じた、私立恵比寿中学の仲村悠菜(18)、19年「よこがお」以来、約6年ぶりの深田組参加で大谷梨紗を演じた小川未祐(24)、リーダー三浦美波を演じた元STU48今村美月(25)、東北地方出身女性アイドルグループ・いぎなり東北産の現役メンバーで辻本姫奈を演じた桜ひなの(21)も登壇。作品とハッピー☆ファンファーレへの思いを、口々に語った。
仲村は、私立恵比寿中学の現役メンバーで「アイドルをやっている身で、この役をやるのに抵抗を感じた。そのことを含め、良い演技ができたと思います」と語った。
今村は「昨年、7年活動したグループを卒業しました。上京して初めてオーディションを受けた、今まで培ったことを違う形でできたのがうれしかった」と振り返った。劇中ではリーダーだが、STU48でも2代目キャプテンだっただけに「撮影外でも、リーダーと思ってもらえるような心意気で臨んだ」という。
桜は「映画に出していただくのも、舞台あいさつも初めて。ふつつか者ですが、よろしくお願い致します」と丁寧にあいさつ。「いぎなり東北産に10年間、所属し、現在進行形でやっているアイドル。私の力を生かせればと。私なりのアイドルを演じさせていただきました」と胸を張った。
ハッピー☆ファンファーレメンバーを演じた中で、ただ一人、アイドル経験のない小川は「私だけ、アイドル経験がなく、みんなにたくさんのことを教えてもらい、役者としてできることはないかと役割を探し、作品に挑もうと思った」と語った。
「恋愛裁判」では、齊藤演じる山岡真衣が「恋愛禁止ルール」を破ったことで裁判にかけられる物語を通じて、きらびやかなアイドル業界の裏側に潜む孤独や犠牲、そして個人が自己を取り戻すための闘いを、痛切なリアリティーと繊細な人間描写で描き出す。5月のカンヌ映画祭(フランス)のカンヌプレミア部門、10月の釜山映画祭(韓国)のアジア映画の窓部門に出品されたのに続く、国際映画祭の出品で、この日がジャパンプレミアだった。
深田晃司監督(45)は、実際に起き、報じられた2件の事案を元に、オリジナルの物語を着想し企画・脚本を手がけた。「子供の頃からアイドルを見てきて、恋愛は御法度だろうなと感じていた。もっと普遍的なことを描ける、というのが最初でした」と語った。