俳優で歌手の北山宏光(40)が7日、東京・明治座で主演舞台「醉いどれ天使」(7~23日、同所など)の取材会と公開ゲネプロに臨んだ。
「醉いどれ天使」は名匠・黒沢明監督と俳優三船敏郎が初めてタッグを組んだ名作映画で、戦後の混沌(こんとん)とした時代に生きる人々の葛藤を描いた。公開半年後に舞台として上演された際の台本が近年発見され、21年に再び舞台化。大盛況で幕を閉じた。
新たなキャスト、スタッフで上演する25年版で北山は、三船が演じた闇市を支配する若いやくざ・松永役に挑む。6年ぶりの主演舞台に「お客さんに届けられる喜びをかみしめながら初日を迎えたい」とあいさつした。
深作健太氏の演出で、北山は「この作品がここまでエンタメ化、そしてロックになるという驚きはありました。セット1つ1つにもこだわりがあって、セットからもメッセージを受け取れる。そこにキャストが立つことで世界観の奥行きが広がる」と話す。
松永の兄貴分、岡田役の大鶴義丹(57)は「結構、北山くんと戦うシーンがあるんですけど、絶対に疲れたって顔をしないんですよね。責任感を感じる」と北山の座長ぶりをたたえた。これを受けて北山は「ステージ上でカロリーを使うことでお客さんに伝わることもあると思うんで。本気でやるっていうね」と笑った。
松永の主治医・真田の診療所に住み込みで働く美代役の佐藤仁美(46)は、北山のことを「ファッションチェック大魔王」と評する。稽古着を日々、チェックされていたと訴え、北山は「仁美さんの稽古着がとってもかわいくて。サボテン、牛、猫が共演してるみたいな。で、黄色いサンダルでカツカツ来るみたいな。それは絶対見てしまう。目が離せない」と弁解していた。
東京公演の後、28日から30日まで愛知・御園座で、12月5日から14日まで大阪・新歌舞伎座で上演する。北山は「もしこの時代に生まれていたら、僕はそんな強く生きられるかなと思った。どの時代でも弱い部分があって、それを隠して、時代に流されて強く生きたと思うんです。だから弱い部分をちゃんと持って演じたい」と意気込み、「お芝居もそうですが、ショーアップされていたり、ロックに演出されていたり。見に来た方に楽しんでもらって、メッセージを受け取っていただける作品になっていると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と締めた。
渡辺大(41)、ダブルキャストの横山由依(32)と岡田結実(25)、阪口珠美(23)、演出の深作氏も出席した。