【こんな人】中村橋之助は熱いハートを自ら示し、周囲を巻き込んでいく理想的なリーダータイプ

婚約会見に臨む中村橋之助(撮影・鈴木正人)

歌舞伎俳優中村橋之助(29)、元乃木坂46の女優能條愛未(31)が10日、都内で、婚約発表会見を行った。舞台共演をきっかけに知り合い、4年半の交際を実らせた。来年初夏に挙式、披露宴を執り行う。

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歌舞伎界のサラブレッド3兄弟の長兄、橋之助は、熱く、責任感の強い男だ。成駒屋が主催する神谷町小歌舞伎でインタビューした際の第一印象だ。実は当時、記者は歌舞伎の素人だった。インタビューと同時にそのことを告白すると、橋之助は逆に「そういう方にこそ見てほしいんです」と目を輝かせた。

成駒屋の長男として、歌舞伎界の将来に対する漠然とした危惧を抱いているようにも感じた。それは歌舞伎が持つ“敷居の高さ”だ。歌舞伎は日本の伝統芸能だが、“難しい”というイメージで捉えられることもある。だからこそ「見やすい演目を選び、そういう人に1度実際に見てほしいんです」と行動に移したという。歌舞伎素人の記者には言葉を尽くし、丁寧に、熱のこもった説明を繰り返した。

インタビューの際、鮮明に覚えているエピソードがある。それは福之助(27)が「やっぱり、お客さまを育てていかなきゃいけない」と話した時だった。橋之助はすかさず、「『お客さまを育てる』って言い方は生意気になってしまう」と制した。それでも福之助も「いや、育てます」と引かなかったが、橋之助はここで福之助を立てつつ、演目説明前ごあいさつの話題を折り込みながら、うまくコメントを着地させたのだった。

熱いハートを持ちつつも独りよがりにならず、バランスをとりつつ自ら先頭に立って熱量を示す。そうやって周囲を巻き込み、気が付けば全員が同じ方向に向かっている。そんな、理想的なリーダータイプだ。【川田和博】

◆中村橋之助(なかむら・はしのすけ)1995年(平7)12月26日生まれ、東京都出身。屋号は成駒屋。8代目中村芝翫とタレント三田寛子の長男。00年9月歌舞伎座「京鹿子娘道成寺」などで初代中村国生を名乗り初舞台。16年10、11月歌舞伎座「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」などで4代目橋之助襲名。弟中村福之助、中村歌之助と行う自主公演「神谷町小歌舞伎」も人気。ほか、舞台「サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-」、NHK大河ドラマ「毛利元就」、映画「シンペイ~歌こそすべて~」など出演。