第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、株式会社石原音楽出版社協賛)のノミネートが12日、決定した。6月6日の初日から10日までの158日間で、実写邦画歴代2位の興行収入(興収)170億円を突破した「国宝」(李相日監督)が作品賞、石原裕次郎賞、監督賞、吉沢亮(31)の主演男優賞はじめ7部門で11ノミネートされた。
5日に発表された「現代用語の基礎知識選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」にも「国宝(観た)」がノミネートされるなど、社会現象的なムーブメントを巻き起こした「国宝」が、邦画8部門・40ノミネートの4分の1を占めた。作家・吉田修一氏の原作も昨今、出版不況と言われる中、書籍販売が累計200万部を突破。第98回米アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に選出され、東京国際映画祭では李相日監督(51)が黒澤明賞を受賞と、国内外の映画賞を席巻しそうな勢いだ。
任侠(にんきょう)の一門に生まれながら、上方歌舞伎の名門の当主に引き取られ、芸に人生をささげた立花喜久雄を演じた吉沢と、喜久雄を引き取った花井半二郎の息子・大垣俊介役で助演男優賞にノミネートされた横浜流星(29)は撮影前、1年半にわたり歌舞伎の指導を受けた。喜久雄の少年期を演じ新人賞にノミネートされた黒川想矢(15)も半年、稽古を行った。
東京国際映画祭で李監督と対談した山田洋次監督(94)が「(稽古に)1年半、かけちゃうんだ…でも1年半でできる。本職の女形が悔しくなっちゃうね」と驚くなど李監督の演出力を評価する声は多い。また、03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)が22年、守り続けた興収173億5000万円の実写邦画最高興収記録の更新が迫るヒットを歓迎する声が業界内でも相次ぐ中、選考の行方に注目だ。
○…「宝島」(大友啓史監督)が6部門、「遠い山なみの光」(石川慶監督)と21日に公開を控える「TOKYOタクシー」が4部門で続いた。「TOKYOタクシー」の木村拓哉(53)が主演男優賞を受賞すれば、山田監督と前回、タッグを組んだ06年の「武士の一分」以来19年ぶり。「遠い山なみの光」と「ゆきてかへらぬ」(根岸吉太郎.監督)で主演女優賞にノミネートされた広瀬すず(27)は、15年に「海街diary」(是枝裕和監督)で新人賞を受賞しており、ステップアップを目指す。
○…「第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」(日刊スポーツ新聞社主催、株式会社石原音楽出版社協賛)は12月28日午後7時、日刊スポーツコムで、各賞を発表します。受賞者、受賞作品の詳報は翌29日付の日刊スポーツ本紙で掲載します。