十河茉由、舞台「星の流れに」で娼婦役初挑戦「人間の熱くて素晴らしい部分が詰まっている作品」

左から、舞台「星の流れに」に出演する十河茉由、演出の羽原大介氏、主演の惣田紗莉渚(撮影・松尾幸之介)

女優十河茉由(23)がこのほど取材に応じ、娼婦役に初挑戦した上演中の舞台「星の流れに」(11月24日まで、東京・赤坂レッドシアター)での経験や今後の活動について語った。

映画「パッチギ!」や「フラガール」などの脚本で知られる羽原大介氏(60)率いる羽原組の制作で、十河にとっては昨年主演した「フラガール'24」以来2度目の羽原組作品出演となる。「また出られることがうれしくて、今年はそれを楽しみに生きてきました」と笑い「羽原さんの舞台にまた出たいという気持ちでやってきたので、感謝の思いなどを大事にしてやっていけたらと思っています」と力を込めた。

演じるのは戦後の生活に困窮し、主に在日米軍らを相手とした“パンパン”と呼ばれる娼婦たち。その中でも「少しぶっ飛んだ」役柄といい「自分の性格の5ギアくらい上のテンションや感覚でやらないといけないので緊張していましたし、それだけでなく少し抜けた部分もあったりして。私とはまた違った人間味あふれる女の子だったので、演じ方は悩みました」。役に近い学生時代の友人に会ってイメージを膨らませたこともあったといい「『フラガール』の時とはまた違った役で、そうした部分の変化もお客さんにも伝えられるように、楽しく演じることを心がけました」と振り返った。

戦後80周年の節目で、羽原氏も「挑戦」と掲げた娼婦にスポットを当てた物語。十河と同じく娼婦役で主演を張ったのは元SKE48で女優の惣田紗莉渚(32)で、稽古から仲を深め、居残りで話し合いをしたり、食事に出かけるなどして演技の微調整に励んできた。十河は「お芝居が大好きで熱い方しかいない現場だったので、稽古に行くのも楽しかったです。ダンスシーンもありますけど、上手な子が多くて。私はほぼ初めてと言っても過言ではなかったので、頑張りました」と話した。

来年には3年連続となる「フラガール」の再演も決まっており、自身も出演予定。羽原氏は十河について「今回、『フラガール』とは全く違う役を演じてもらうことで、お芝居の引き出しをまた増やしてほしいなと。そうして来年の『フラガール』につなげてほしいという話をしました」と明かした。少し工夫の必要な演技にも「セリフをうまくかみ砕いて演じていただけている」と評価した。

十河は「つらい描写だけでなく面白い部分だったり、昭和歌謡のダンスシーンもあるので、そうした部分を見ていたら2時間あっという間だと思います」と語り「今、日本では戦争は起きていませんが、今回の舞台を見ると、何か大変なことが起きた時に人に優しくできたり、思いやる気持ちを持つことにつながると思います。人間の熱くて素晴らしい部分が詰まっている作品でした。今回の経験もまた糧にして、来年も頑張っていきたいです」と見据えた。【松尾幸之介】