田辺靖雄と九重佑三子夫妻がライブ開催 田辺「夫婦で80歳の同い年で歌っているのはギネス級」

デュエットで魅了する田辺靖雄(左)と九重佑三子

田辺靖雄(80)と九重佑三子(79)夫妻が27日、東京・新宿のライブハウスKENTO,Sに満員の観客を集めて、「プレフェスタ80★80(エイティー・エイティー)」と銘打ったライブを開催した。

来年、田辺は4月5日に81歳。九重は3月21日に80歳になる。2人が同時に「80歳(傘寿)」でいるのは15日間ある。その前祝いライブとして行われた。

「80-80」の発想は、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平が昨年達成した「50-50」(フィフティー・フィフティー=50本塁打、50盗塁)を参考にした。今年8月には、そのパワーを吸収しようと、ロサンゼルスまで行って大谷の試合を観戦してきたという。

田辺は「夫婦で80歳の同い年で歌っているのはギネス級でしょう。いい機会だから盛り上がろうと計画しました。同世代と(残された命の)ともしびを分かち合えるライブにしたい」と話した。

九重は「過去のことではなく、今も、誰にでも心の中に小さなダイヤモンドのように輝く思い出が残っていることを感じてほしい」と話した。

ライブの前半は「リンゴの唄」「有楽町で逢いましょう」「神田川」「見上げてごらん夜の星を」「川の流れのように」など、昭和歌謡史に残る名曲の数々を披露した。

トークでは九重が「恋におぼれる16歳」と言うと、田辺が「風呂でおぼれる80歳」と返すなど、老練で軽妙な掛け合いで、爆笑と共感を誘った。

後半は「イエスタデイ・ワンス・モア」「ロック・アラウンド・ザ・クロック」など懐かしい洋楽を、それぞれのソロやデュエットで披露した。

テレビ創世期に、ともに16歳でデビューした。NHK「夢であいましょう」などの人気音楽番組やドラマなどで共演。いつしか引かれあった。

九重は宇宙から来たお手伝いさんを演じたTBS系特撮ドラマ「コメットさん」(67年)で、国民的アイドルとなった。同年の第18回NHK紅白歌合戦で、史上最年少(当時)の21歳で紅組司会となった。

田辺も「二人の星をさがそうよ」(64年)のヒットなどで、NHK紅白歌合戦に連続出場。67年にはTBS系情報番組「ヤング720」の司会を務めるなど、人気者として多忙な日々を送っていた。

出会いから10年後の73年1月、森繁久弥夫妻の媒酌で結婚した。田辺27歳、九重26歳だった。23年に結婚50年(金婚式)を迎え、今も二人三脚で各方面で活躍している。

ライブの終盤、今春に発表した2人のアルバム「Good Times」に収録した、それぞれの「80-80」のメッセージソングを歌い上げた。

九重は敬愛した先輩ペギー葉山の名曲「夜明けのメロディー」。作詞は作家五木寛之氏で「すてきな思い出だけ 大事にしましょう」と歌う。

田辺は自らの日本語詞による「マイ・ウェイ」。自らの人生を振り返るように「今まで歩いた足跡 いまさら 消してはいけない 誇りを持つんだ 自分らしさで」と歌った。

田辺は「今回はプレ(事前の意味)ですが、来年の15日間を中心に、ホールでのコンサートなど『80-80』の本番を迎えたい。先輩や同世代の歌手が亡くなるような年齢になりましたが、昭和のあんな年のあんな日々に、いつも傍らにいたあんな歌を、これからも2人で歌い続けていきたい。次は『85-85』を目指します」と誓っていた。【笹森文彦】