【悼む】最先端ロン毛イケメン&鋭いご意見番のモーリー・ロバートソンさん…63歳死去まだ早い

モーリー・ロバートソンさん(2018年5月撮影)

国際ジャーナリストでタレントのモーリー・ロバートソンさんが食道がんのため1月29日午前に死去した。63歳だった。オフィスモーリー公式サイトなどで1日、発表された。

モーリーさんは2016年3月にショーンKこと、経営コンサルタントのショーン・マクアドール川上氏の経歴詐称が発覚した時に、注目を集めた。ショーンKは同年4月から始まるフジテレビの平日夜の情報帯番組「ユアタイム~あなたの時間~」のキャスターに就任予定だったが降板。後釜を取材すべく、東京・台場のフジテレビ社内をうろついていると、タレントクローク付近で「モーリー・ロバートソン」の名前を発見した。なんと新番組のリハーサルをショーンKの代わりにモーリー氏でやっていたのだ。おでこの広いモーリー氏の顔を確認して、すぐさま、広報担当者に確認すると一斉に発表されてしまった。

モーリー氏はキャスターという肩書ではなく、コメンテーターとして出演。落ち着いた語り口で番組の危機を救った。アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたモーリー氏は、東大理一にストレートで合格。同時にハーバード大、マサチューセッツ工科大にも合格した天才だが、4カ月で中退。その後、ハーバード大を卒業して、ミュージシャン、J-WAVEの番組ナビゲーターをしていた。

2022年に、当時はフジテレビ社長を兼任していた金光修フジ・メディア・ホールディングス前社長(71)をインタビューした。編成マンとして「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」などを手がけたことで知られる金光氏だが、人材発掘にも手腕を発揮していた。「NONFIX」で映画監督の是枝裕和氏、「カルトQ」でミュージシャンうじきつよし、「アジアバグース」で俳優金城武を起用して次のステップへの道を開いた。

その時に94年に「レボリューションNo.8」という深夜番組を手がけた時の話を聞いた。モーリー氏と電脳アイドル千葉麗子がMCを務めた、インターネットの生番組。ロンドンから動画配信をしたり画期的だったが、まだ世にインターネットというものが広まる前だった。当時のモーリー氏はロン毛のイケメン。後に報道番組のご意見番となることなど想像できないカッコよさだった。金光氏は「モーリー・ロバートソンさんのテレビ初登場。ラジオで面白そうだなって。なんかすげえ、頭いいやつがいるって呼んでねえ」と振り返っていた。当時の記者は千葉麗子のインタビューをしていたのだが、隣に座っていた頭脳明晰(めいせき)なイケメンぶりがよみがえってきた。

最先端を行くイケメン、鋭いご意見番。2つの顔を見せてくれたモーリーさん。63歳は、まだ早い。同じ時代を生きた記者には、そう感じられる。お疲れさまでした。ご冥福をお祈りします。【小谷野俊哉】