元フジテレビのフリーアナウンサー松尾翠(42)が6日、東京・テアトル新宿で行われた映画「たしかにあった幻」(河瀨直美監督)初日舞台あいさつに登壇。「映画に、こういう形で出演させていただくのは、ほぼ初めて。あの日々を思うと…何だか今も答えが出ない」と目を潤ませた。
「たしかにあった幻」は大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを務めた河瀨直美監督(56)にとって、22年の東京五輪公式記録映画「東京2020 SIDE:A、B」以来4年ぶりの新作で脚本も手がけた、小児臓器移植実施施設が舞台の物語。フランスからやってきたレシピエント移植コーディネーターのコリーが、脳死ドナーの家族や臓器提供を待つ少年少女とその家族と関わりながら、命の尊さと向き合う。同時に突然、失踪した恋人の迅の行方を追う姿を通して愛と喪失、希望を描く。コリーをルクセンブルクの俳優ビッキー・クリープス(42)迅を寛一郎(29)が演じた。
松尾は、中野翠咲(10)が演じた心臓病で長く入院している石山瞳の母・裕子を演じた。「この作品の持つメッセージ性だったり力強さ、優しさ、光…私も撮影し、編集した、この形を今日、初めて見させて頂く。この場所にいさせて頂く事が奇跡」と感慨を口にした。
河瀨監督は撮影前にロケ地で2週間、俳優陣に生活させるなど、役を生きるために必要なこととして行う演出“役積み”で知られる。松尾は、撮影を振り返り「作品に関わらせて頂いたことが、一生の宝な気がしていて感謝しかない」とも語った。