女優三原羽衣(23)が、13日公開の映画「ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私」に主演する。三原演じる日本で売れっ子女優のシイナは仕事を放り出し、ボーイフレンドのレン(中川勝就)とニューヨークへ。わがままのし放題で、スーツケースもスマホも持たずに置き去りにされる。英語も話せずに絶望するが、売れない映画監督(エステバン・ムニョス)と出会い、ホラー映画に出演することになる。三原と宇賀那健一監督(41)に聞いてみた。【小谷野俊哉】
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三原「映画の主演は私の目標の1つだったので、すごくうれしかったです。ニューヨークで全編を撮るというので、本当に実現するんだろうと若干疑ってた部分はありましたけど、もうワクワクしてましたね」
撮影は一昨年の8月。
宇賀那「これは実際にブルックリンで撮りました。全部ニューヨークですね。ブルックリンじゃないところも、ちらっとあるんですけど」
売れっ子若手女優シイナはわがままのし放題。取材のインタビューにも「特にありません」とぶっきらぼうに答える。
三原「最初のインタビューシーンの感じで、このまま続いちゃうのかなと思いました。シイナ自身が抱いていた感情、それこそインタビュアーに対して『がどうせ、作品見てないんでしょ』っていう気持ちとかは、ちゃんと理解できました」
「特にありません」はプロスラー、オカダカズチカの決めぜりふ。インタビューにぶっきらぼうなのは若き日の沢尻エリカの「別に…」発言を思い出させる。
宇賀那「オカダカズチカは、全く浮かんでいませんでした。沢尻さんは一瞬、頭によぎりました。でも、さすがに『別に』とは言ってませんけどね」
初めての海外撮影がニューヨーク。
三原「私は全く英語をしゃべれない人間なので、コミュニケーションは大丈夫かなと思いました。通訳がいるとは聞いてたんですけど、主演としての立ち振る舞いとか、どうしようかなと思っていました。でも、実際に行ってみれば、もう楽しかったら何でもいいんだなと。楽しいを一番にやっていました」
わがままをし放題のシイナはボーイフレンドのレンに置き去りにされる。言葉の通じないニューヨークでたった一人きり、スーツケースもスマホもなくなった。バーに入って、1人でやけ酒をあおる。
三原「私だったら、本当に無理だなと思います。やけ酒までもたどり着かないだろうと。あそこでバーに入ること自体がすごい勇気ですよね」
三原は初の映画主演。
宇賀那「主演は初めてなんですけど、一昨年公開の『みーんな、宇宙人。』で、ご一緒しています。その時、すごく現場のいろんなことが見えている人だなと思っていました。この映画はラブコメだと思ってるんですけど、ラブコメって一種の“筋力”が必要だと思うんですよ。こういう時にこういうことが求められてるんだろうなと、理解する能力、理解したところでそれを表現する能力と。そういう意味で、現場経験も多いし、すごく全体が見えている」
今回のニューヨークロケは、宇賀那監督の15本の長編映画でも、一番過酷な現場だったという。
宇賀那「彼女は僕の足りない部分を補って、さらにそれ以上のものを持って来てくれるんだろうなと思っていました。本当に過酷な現場だったので、そういう意味では信用できる人をと。人として信用できないと破滅しちゃうし、ニューヨークで破滅したら本当の破滅だと思うのでね。そういった要素、お芝居として、僕の足りないところを超えて来てくれるところ。過酷な現場に対峙(たいじ)できる。そういう信頼がありました」
ニューヨークのスタジオ、そして屋外でもロケ撮影が行われた。
三原「いろんなハプニングはありましたけど、大丈夫でした。日本人は、どうしてもきっちりしすぎてるじゃないですか。だけど、向こうの人はすごくマイペースで自由な方が多い。撮影が始まるってなったのにトイレに行ってていない人がいるとか、鍵が開いてなくて支度ができないとか。そういうハプニングもありましたけど、全部含めて楽しかったなと思います」
監督役はエステバン・ムニョス。
宇賀那「コミュニケーションをめちゃくちゃとってくれる方で、日本人チームに対しても明るく、気さくに接してくれました。私には翻訳なしで話しに来てくれるぐらいでした。それこそ映画の中でもあったように、グーグル翻訳を使ってね」
(続く)
◆三原羽衣(みはら・うい)2002年(平14)9月22日、兵庫県生まれ。20年(令2)「第7回日本制服アワード」で女子グランプリ。21年WOWOWオンデマンド「こころのフフフ」で女優デビュー。同年「劇場版 事故物件4」で映画デビュー。23年TBS「私がヒモを飼うなんて」。160センチ。血液型B。
◆宇賀那健一(うがな・けんいち) 1984年(昭59)4月20日、東京都生まれ。青学大経営学部卒。高校時代から俳優として活動して、監督業に進出。俳優として03年舞台「ROAD 地雷を踏んだらサヨウナラ」、04年映画「バッテリー」主演、06年映画「着信アリfinal」、10年NHK大河「龍馬伝」。08年映画「発狂」で初監督。長編映画は16年「黒い暴動ハート」、18年「サラバ静寂」、19年の「魔法少年☆ワイルドバージン」は20年「転がるビー玉」、22年「異物-完全版-」、23年「ラブ・ウィル・テア・アス・アパート」など。168センチ。血液型B。