<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
「脱M宣言」が、ついに出た。2月2日、MBS(毎日放送=大阪市)の武川智美(むかわ・ともみ)アナウンサーが生放送で、3月末での同局退社、フリー転身を表明したのだ。
長く番組で共演するメッセンジャー黒田、あいはら両氏を巻き込んで「いつ独立するんですか?」「さあ、いつになるのかな」と散々ネタにしていたが、ようやく1歩踏み出すことになった。
独立を期待していたファンは「とうとう決断したか。おめでとう!」と拍手を送り、60歳の定年までは会社を辞めないだろうと見ていたファンは「えっ、まさか?」と驚きを隠さなかった。
フリーになるといううわさは約5年前からあった。「メッセンジャーあいはらのYouはこれから!Everyday」「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」「それゆけ!メッセンジャー」などのラジオ番組でズバズバ発言を重ね、50歳を超えてから人気はさらに上昇。かつてはテレビ「痛快!明石家電視台」で明石家さんまのアシスタントを12年間担当したが、ラジオを主戦場にしてからは唯一無二のキャラクターを発揮した。
今やっている番組がそのまま継続できるかどうかは不透明。57歳の元局アナに、他局からどれだけ需要があるのか? それはまだ見えない。
ただ、期待を寄せるファンは多い。ラジオで退社を明かした日、武川アナのX(旧ツイッター)には激励のコメントが約350件寄せられ、その1件1件に自らお礼の返信を送ったという。
その「生真面目さ」と、何事にも動じない「鉄の心臓」が武器でもある。家で転んで肋骨(ろっこつ)を骨折しただの、血尿が出ただの、自身の話題を放送で口にするたび、記者は(わたしです)ネットニュースにさせてもらった。
早朝のラジオ「上泉雄一のええなぁ!」を卒業し、2年目の河西美帆アナにバトンタッチした際、「ベテランから若手へ、大幅に若返り」という記事を出すと、その表現がお気に召さなかったのか「いじり方がヘタ」「文才がない」と猛烈な批判を受けたことがあった。ネットに出た顔写真が不満で「別の写真に替えてほしい」と注文されたのも、この人しかいない。
かつて「女性アナウンサーの定年は30歳」などと言われた時代があった(特に東京のテレビ局)。フレッシュなうちは周囲からチヤホヤされるが、より若い新人アナウンサーが入社して…。失礼な言い草ではあるが「30歳定年」は、テレビ界の冷酷な現実を映す言葉でもあった。
有働由美子アナが27年間勤めたNHKを退職したのは2018年3月。49歳だった。
武川アナは、これを上回る33年目、57歳。「120歳まで生きる!」と公言する彼女にとって、まだ人生の半分でしかない。脱Mのこれからが楽しみだ。【三宅敏】