吉沢亮、25年は「血を求めている」キネマ旬「国宝」受賞も「バババ」トークに喜び

キマネ旬報ベスト・テン表彰式で主演男優賞を受賞し話をする吉沢亮(撮影・増田悦実)

<第99回キネマ旬報ベスト・テン表彰式>◇19日◇東京・オーチャードホール

吉沢亮(32)が「国宝」(李相日監督)ほかで主演男優賞を初受賞した。「大変、歴史ある栄誉ある賞をいただけて光栄でございます。映画を愛する方の鋭い目線で選んでくださる賞に憧れがあった。スタッフとともに」と感激した。

司会のフリーアナウンサー笠井信輔(62)からは「どれくらいの主演男優賞を取っているか分からない。その度に『国宝』の話をしている。ここは、あえて」と、もう1つの受賞対象作「ババンババンバンバンパイア」(浜崎慎治監督)に話を向けられた。

吉沢は「ありがとうございます」と感謝した。「国宝」の撮影を終えた1カ月後に「ババンババンバンバンパイア」の撮影に臨んでおり、笠井から「歌舞伎を1年半、稽古して気持ちの切り替えができた?」と質問が飛んだ。吉沢は「大分、長い時間(『国宝』に)気持ちをささげていたので何で受けちゃったのかなと思った」と当時の率直な思いを振り返った。

「国宝」は作家・吉田修一氏(57)の同名小説の映画化作品で、吉沢は主人公・立花喜久雄の50年の人生を、少年期を演じた黒川想矢(16)と演じた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜流星(29)と、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢と横浜が、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から歌舞伎の指導を受けた。一方「ババンババンバンバンパイア」では、板垣李光人(24)演じた銭湯の息子の15歳・立野李仁の血を求める、銭湯で働く450歳のバンパイア森蘭丸を演じた。

吉沢は「『バババ』が、現場が楽しすぎて、自由すぎて…。『国宝』の経験、生きていたと思います」と笑った。その上で「出させていただく基準として、いろいろなものをやらせていただきたい。自分が見て楽しい作品をやりたい。ジャンルにこだわらず、いろいろな作品をやりたい」と作品選びの基準も説明した。

この2作が、ずいぶん見られたことに対し「見ていただいた」と謝辞も口にした。その上で、両作を見た関係者から「(引き取られた上方歌舞伎の名門の息子の)俊坊の血も欲しいし、若い男性の血も…。どっちも血を求めてる、今年の吉沢亮は血を求めてる」と言われたことを明かした。

「国宝」は、25年6月6日の初日から15日までの公開255日間で、興行収入(興収)200億851万9000円。動員1425万2409人を記録し、邦画実写史上初の興収200億円を突破。歴代の興収ランキングでも、196億円を記録した04年「ハウルの動く城」(宮崎駿監督)を超え、203億円を記録した01年の米映画「ハリー・ポッターと賢者の石」(クリス・コロンバス監督)に次ぐ10位に躍り出た。

25年11月24日までの公開172日間で、興行収入(興収)173億7739万4500円、動員1231万1553人を記録。03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)が22年、守った173億5000万円の実写日本映画興収記録を22年ぶりに更新した。

米アカデミー賞では、ヘアメークの豊川京子氏、歌舞伎メークの日比野直美氏、歌舞伎床山の西松忠氏が、メーキャップ・ヘアスタイリング賞にノミネートされた。同賞は、これまで米国籍を取得したカズ・ヒロ(辻一弘)氏が18、20年と2度、受賞しているが、日本映画としては初めて。受賞すれば、日本国籍を持つ日本人では初。授賞式は、3月15日に開催される。

日本アカデミー賞でも、李相日監督(52)の監督賞、吉沢の主演男優賞をはじめ正賞15部門中12部門で16の優秀賞を受賞。見上愛(25)が受賞した正賞外の新人俳優賞を含めると、13部門で賞を獲得した。授賞式は同13日に開かれる。