「国宝」床山西松氏「長時間、頭の上に乗せて耐えられるか」吉沢亮、横浜流星かつらは3~5キロ

日本外国特派員協会で会見を開き、米アカデミー賞にノミネートされた書面を見せる「国宝」の西松忠氏(撮影・村上幸将)

第98回米アカデミー賞のメーキャップ・ヘアスタイリング賞でノミネートされた「国宝」の李相日監督(52)、ヘアメークの豊川京子氏、歌舞伎メークの日比野直美氏、床山の西松忠氏が27日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。

西松氏は、映画の製作において何が難しかったか? と聞かれると「まず、キャストの皆さまが歌舞伎役者ではない、ということ。ご本人が慣れず、長時間にわたると、ここが痛いとなってくる。そこが1番の苦労ですかね」と振り返った。舞台のかつらは重量が重いといい「長時間、頭の上に乗せて耐えられるか。1カットで、20回くらい、かつらをかぶしたり、はがしたり。朝の6時からメーキャップを始めて、終わるのは次の日」と撮影を振り返った。

米国のメディアからは「かつらは、どれくらい重いのか?」と質問が出た。西松氏は「メインの道成寺は、分金は3、4キロはあると思います。土台が銅でできている。かんざしも重くて1番、重いかつらだと5キロ。役者さんは大変だったと思う」と答えた。

自身の、これまでの歩みについて聞かれると「45年。学校を出て、師匠の師匠に弟子入りしました。日本髪を結うのは大変な技術が必要。朝から晩までお稽古がいる」と口にした。「師匠に言われたのは『かつらを結う時は、役の性根をつかんで仕事しろ』と。それを心がけています。400年以上、続く歌舞伎衣装、かつらの技術を教わり、やってきました」と答えた。

米アカデミー賞ノミネートについては「驚きしかない.舞台の後ろで俳優を支える仕事。まさか、こういう席にお招きいただくこともないと思いますし、ましてはアカデミー賞…夢のようでございます」と笑みを浮かべた。

「国宝」は作家・吉田修一氏(57)の同名小説の映画化作品。吉沢亮(32)が主人公・立花喜久雄の50年の人生を、少年期を演じた黒川想矢(16)と演じた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜流星(29)と、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢と横浜が、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から1年半にわたって歌舞伎の指導を受けたことも話題を呼んだ。

25年6月6日の初日から同11月24日までの公開172日間で、興行収入(興収)173億7739万4500円、動員1231万1553人を記録。03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)が22年、守った173億5000万円の実写日本映画興収記録を22年ぶりに更新。今年2月15日までの公開255日間で、興収200億851万9000円。動員1425万2409人を記録。邦画実写史上初の興収200億円を突破した。また歴代ランキングでは、196億円を記録した04年「ハウルの動く城」を超え、203億円を記録した01年「ハリー・ポッターと賢者の石」に次ぐ10位に躍り出た。

メーキャップ・ヘアスタイリング賞は、これまで米国籍を取得したカズ・ヒロ(辻一弘)氏が18、20年と2度、受賞しているが、日本映画としては初めて。受賞すれば、日本国籍を持つ日本人では初となる。授賞式は3月15日に開催される。