仙台市出身の八乙女光、震災当日は「テレビを見続けるしかなかった」3・11題材主演舞台へ思い

「小さな神たちの祭り」制作発表で、子役らと記念撮影する、後列左から藤井直樹、福田悠太、八乙女光、堺小春、斉藤暁(撮影・浅見桂子)

Hey!Say!JUMP八乙女光(35)が2日、都内で舞台「小さな神たちの祭り」(30日から、東京グローブ座など)製作発表に登壇した。

東日本大震災で家族を失った主人公の青年(八乙女)が、不思議なタクシーとの出会いを機に、喪失感に覆われた心を立て直していく物語。震災で亡くなった大切な人へ伝えられなかった思いをしたためた手紙を投函(とうかん)できる「漂流ポスト」から着想を得て作られた物語。

主演を務める八乙女は宮城県仙台市の出身。今回の役どころは東京の大学に通っていたことで1人命が助かり、止まったままの家族との時間に悩みながら日々を生きる青年で、「生きるということをテーマにした役」という。

舞台となる宮城県亘理町は、幼少期に遊びに行ったこともある思い出の場所。作品に挑むにあたり、同町を訪問したほか、東北の地で「漂流ポスト」に実際に投函(とうかん)された手紙にも目を通した。「何げないことから芯のある言葉まで書いてあったりして、重さというか、思いの強さみたいなものがすごく伝わりました」と気持ちを固めた。

15年前の震災当日、八乙女は母親と東京におり、津波に襲われた東北各地の惨状をテレビ画面から目にした。「当時はテレビを見続けるしかなかった。知っている街がどんどん変わっていく状況で、何かしたいけど何もできない無力さや悔しい気持ちを抱きました」と当時を回想。「15年たって東北のことを思い出そうとなると、3月11日の当日しか振り返らなかったり。僕も岩手の(震災の)伝承館に行って当時の映像を見て、僕でさえも忘れてしまっていることがあった」と、震災の風化を懸念する気持ちもにじませた。東北出身者として「暗くなるのではなく明るい未来につなげるために。災害への備えにもつながりますし、気持ちのお守りになったら良いなと思います」と願いを込めた。

演出の鈴木裕美氏は「震災について勉強しようとか、学べよという芝居ではないです。(八乙女演じる)だめ人間が人間的に復活する話で、その裏に震災がある。くじけず生きていこうぜという話です」とも強調した。

同作は、堺小春(31)ふぉ~ゆ~福田悠太(39)藤井直樹(25)斉藤暁(72)らも出演。福島、岩手、宮城の東北3県など6都市で上演される。