「初めて…実況できなかったWBC」地上波アナが長文で胸中「やっぱり、あの放送席に戻りたい」

テレビ朝日の清水俊輔アナのnoteから

テレビ朝日の清水俊輔アナウンサーが20日までにnoteを更新。Netflix(ネットフリックス)独占配信により、今回のWBCが初めて実況をしなかった大会となったことについて、思いを記した。

清水アナは「第6回大会にして、初めての経験」と題し、日本が準々決勝で敗れたベネズエラが優勝して幕を閉じたWBCについて記述。06年の第1回大会は入社4年目で「世紀の大誤審」を目撃したことや、09年は1次ラウンドの日本-韓国戦の実況、13年は台湾戦で鳥谷敬内野手の盗塁と井端弘和内野手の同点タイムリーを「実況しながら、震えていました」と回想した。さらに17年の2次ラウンドのオランダ戦も触れると、23年には3度目の決勝実況で、「ついに日本が世界一になる瞬間を伝えることができました」といっるした。

その上で「迎えた2026年。1人の野球ファンとして見届けました。実況しないWBC。私にとって初めてのことでした」と言及。「毎回大会が終わるたびに、『絶対に次もWBCを実況する』。『そこに選ばれるように日々を過ごす』、そう強く誓ってきました。それは、今回叶わなかったわけです。感傷的な自分と、冷静な自分 WBCの中継をしないことが分かってから、色々と自分の中で思いを巡らせてきました」とした。

さらに「これまで一切触れてこなかったSNSを始めたのも、大きな目標がなくなった中で何か新しいことを学ぼうという思いになったからです。これまで通り2026年もWBCの実況があれば、SNSは始めていません」と説明。「新しいことをやろうと考える頭の容量は残っていなかったはずです」とし、反響に感謝した。 今回、WBCの実況ができなかったことについて「もちろん、ものすごく残念で、がっかりしました。実際に試合を観ながら、やっぱり実況したかった、という思いになりました。時に感傷的になり、気持ちが落ち込むこともありました」と本音も。しかし続けて「ただ一方で、ものすごく冷静にその現実を受け止めている自分もいました。私は言うまでもなく、テレビ朝日のアナウンサーです。テレビ朝日で中継しないのであれば、実況できないのは当然です」と淡々と記述。「あまりにも当たり前の事実。しかも、テレビ朝日が中継するかどうかを決めるのはアナウンサーではありません。つまり、自分ではどうすることもできない。(最近は「請け負い」という形で他の媒体で実況するケースもありますが)」とした。

清水アナは「WBCの中継はするけれど、今回は清水ではない他のアナウンサーが実況に任命される。この状況の方が、よっぽどショックです。そして、これは完全に『自分のせい』であり、実力不足であり、そこに反省や後悔が生まれます」と言及。WBC以外にも、プレミア12、日本シリーズ、オールスター、夏の甲子園。東京とパリのオリンピックなどを数々の世界大会などを担当したことに触れ「自分の所属する局が中継しない限りその大会の実況は担当できないという大前提から考えると、この実況歴は奇跡だと、本気で思っています。実力どうこうではなく、とにかく幸運です」と記した。

その上で「ある大会や試合を中継することになれば、どのアナウンサーがその実況を任されるかが決まっていきます。日ごろから結果を出していないと、大役は回ってきません。そういう意味では、特に大きな試合を実況するにはもちろん実力は必要です。ただ、自局が中継するという大前提がなければ実力どうこうという話にすらならない。大きな試合や大会を実況するためには実力は必要ですが、そもそもの『大前提』がなければどうにもならない」と言及。「これまでも大きな大会や試合を実況するたびに、頭の中のどこかで『これが最後になるかもしれない』と思ってきました。自分の実力や希望に関係なく、大前提の部分が崩れる可能性は十分あることを知っているからです」と明かした上で「今回、座れませんでした。3年間、自分なりの努力をして、その時を待ったけれど、縁がなかった。そんな風に捉えています」とまとめた。

清水アナは、次回のWBCに向け「実況できなかったWBC。初めての経験の中で考えたこと。これまで『大前提』に恵まれてきたことへの感謝。それは当たり前ではないと改めて痛感できたことが収穫」と前置きし「次回のWBCで放送席に戻れるかどうかは、当然分かりません。戻りたいという強い気持ちは持っていますが、戻れるかもしれないし戻れないかもしれない」と胸中を吐露。「『大前提』に恵まれたとき、実力不足でチャンスを逃すこと。

これだけは避けなければいけない。自分なりの努力をして、その時を待ちます」と決意表明し「最後に、もっと率直な思いを端的に。やっぱり、あの放送席に戻りたいなぁ(笑)」と結んだ。

清水アナは02年入社で、同局で多数のスポーツ実況を担当。2013年の日本シリーズ第7戦の実況も担当し、日本一となった楽天の田中将大投手が最終回に登板した際、入場テーマのFUNKY MONKEY BABYS「あとひとつ」のサビ部分で約30秒、無言で球場の大合唱による声援を伝えたエピソードは語り草となっている。