<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
9月1日で100歳になるテレビプロデューサーで舞台演出家の石井ふく子さん(99)。
新派・松竹新喜劇の合同喜劇公演(東京・新橋演舞場で5月9日から)の記者会見が3月19日、都内で行われ、石井さんも出席しました。
松竹新喜劇「お種と仙太郎」と新派「明日の幸福」の2本立て上演で、石井さんは「明日-」の演出を担当します。熟年世代の夫婦を新派・水谷八重子&松竹新喜劇・渋谷天外が、中年夫婦役をゲストの高島礼子&三田村邦彦がそれぞれ務め、心に響く家族の物語を描きます。
石井さんは「足をけがしてつえを付いているが頭の方は大丈夫。この席に私がいるのは、父が新派の仕事をしていて『おまえもやれ』と言われたのがキッカケ。どうぞよろしくお願いいたします」と滑舌(かつぜつ)良くあいさつ。その後に「テレビ(の仕事)は68年やっている。舞台は58年」と長いキャリアに触れ、「まだまだ皆さんのお力をいただいて『心のある芝居』を見せていきたい。一生懸命にやりたい」と力強く話しました。
石井さんの年齢をまつわるトークが出演者の間でかわされました。最初は新派の波乃久里子が「石井のお姉さまが100歳で…」。これを受けて、三田村が「石井先生は9月1日で100歳。まだ99歳です」と若干の軌道修正。これに波乃が「でも、お姉さまが100歳だと…」とプチ反論。このやりとりを“数え年齢”と“満年齢”の違いで、大したことではないと思いながら聞いていました。
でも、その後の三田村の発言を聞いて、彼が数字にこだわった理由について合点がいきます。「以前、石井先生に『84歳でお元気で』と言ったことがあります。そうしたら『三田村君、私はまだ83歳よ』と言われたんです」。15年も前のことですが、石井さんご本人に“年齢の間違い”を指摘されたことを鮮明に覚えていたわけです。
昨年6月に石井さんが演出した舞台「花嫁」で主演した久本雅美も登壇していました。「石井先生は本当にパワフル。足が悪いとおっしゃっていましたが、のってくると、身を乗り出して『あれっ、足が悪かったのじゃないか』と思うほど。つえを振り回しながら演出をされると思った」。冗談交じりですが、熱のこもった“魂の演出”を振り返っていました。
数字の間違いにも演出にも厳しい~石井ふく子さん。99歳。まだまだ現役です。【松本久】