銀杏BOYZ峯田和伸(48)と若葉竜也(36)のダブル主演映画「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」公開記念舞台あいさつが28日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。壇上で、仲野太賀(33)が涙したのを皮切りに、若葉、峯田ら俳優陣が相次いで感極まり、もらい泣きが連鎖する感動的な舞台あいさつとなった。
「ストリート・キングダム-」は、1978年(昭53)に東京で起きた音楽のムーブメント「東京ロッカーズ」を描いた写真家・地引雄一氏の自伝的エッセーを映画化した、田口トモロヲ(68)の10年ぶりの監督作。田口の03年の初監督作「アイデン&ティティ」で脚本を手がけた宮藤官九郎(55)音楽を担当した大友良英氏(66)同作で演技経験も全くないながら俳優デビュー&主演を飾った峯田が再集結。峯田が東京ロッカーズのカメラマンでマネジャーだった地引氏を元にしたユーイチ、、若葉が東京ロッカーズの中心的バンド「TOKAGE」のリーダー兼ボーカルのモモ、吉岡里帆(33)がバンド「ロボトメイア」のベース・サチ、間宮祥太朗(32)が「軋轢」のボーカル&ギターDEEP、仲野はパンクバンド「解剖室」のボーカル未知ヲを、それぞれ演じた。
「アイデン&ティティ」を見て「こんな映画に出てみたい」と憧れた若葉はじめ、「ストリート・キングダム-」に出演した俳優陣の多くが、若き日に同作や、主演の峯田がボーカル&ギターを務める銀杏BOYZに影響を受けていたという。胸が熱くなったものは? と題したフリップトークで、仲野は「若葉竜也」と書いた。若葉に「何それ? 怖いんだけど」とツッコまれる中、仲野は「竜也とは中学生の頃から、本当によく遊んでいて。家がすごい近くで、チャリ(自転車)で20分くらいかけて竜也の家に行く日々があり、その間、聴いているのは銀杏BOYS」と、若葉との中学時代を振り返った。「映画の話をし『アイデン&ティティ』の話で盛り上がり、弾き語りをし、楽曲のコードを教えてもらった」とも振り返った。
「ストリート・キングダム-」のオファーを受けた際は「僕自身、震えるくらいうれしい。『アイデン』の一員だと思えた。主演のモモが誰ですか? と聞いたら、若葉竜也と聞いて、こんなことあるんだと、あまりに感慨深すぎて」と口にしたあたりから、声が震えだした。
そして「(若葉の)部屋に何があったか大体、覚えている。よく模様替えをする。家(実家)を出て、久々に大人になって最近、竜也の家に行ったら『アイデン&ティティ』の格好良いポスターがあった」と明かした。その上で「当時(中学時代に)遊びに行った部屋になかったし、手に入らないものだった。趣味だらけの部屋の真ん中に、ポスターがデカデカと貼られているのを見て…泣けてきた。こういうはずじゃなかった。変わらずに好きなものがある人って、すてきだなって」と口にすると、涙が止まらなかった。「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」の本編を鑑賞した感想も語り「この座組で、竜也が主役として立っていることが、あまりに美しくて。いざ本編を見て、あんな難しい役を、こんなに自分のものにして、圧倒的な表現している。格好いいなと…胸が熱くなった」と熱く語った。
若葉も「記事になるぞ、これ…俺も(泣いた2月25日の)完成披露で経験したからな」と笑っていたが、途中で、もらい泣きした。最後のあいさつでは「えぇ…はい。そんな映画なんです。夢をかなえてくださって、周りのスタッフ、見つめてくれていた仲間達に感謝してもしきれない。1人でも多く見て、何か感じてもらえれば、うれしいです」と所々、声を詰まらせた。
峯田も「アイデン&ティティ」で俳優デビューした当時を振り返り「23年前、初めてお芝居をやることになって正直、何が何だか分からないままだった。23年が経って、あの時『アイデン』があったから、こういう感じになれましたと言ってくれる声があって…」と声を震わせた。「あの時、気付けなかったけど、また、見た人が『あの時『ストリート・キングダム-』があったから』とつながっていくのかなと思うと、言うことありません。出てる自分が1番、感動してしまって」と涙した。
吉岡も涙し、間宮も目を潤ませた。その中、田口は「宮藤君、峯田君、『アイデン&ティティ』撮っていて、良かったね。今回は、大好きで、という方が集ってくれて、この作品で『アイデン&ティティ』の貯金、全部、使いました」と満面の笑みを浮かべた。
◆「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」 1978年、偶然ラジオから流れたセックス・ピストルズに突き動かされ、田舎から上京した青年カメラマンのユーイチ(峯田和伸)は、小さなロックミニコミ雑誌「ロッキンドール」に出会い、とあるライブハウスへと足を運ぶ。そこで出会ったボーカルのモモ率いるバンド「TOKAGE」のライブに衝撃を受け、無我夢中でシャッターを押した。そこは音楽もバンドも観客たちも何にも縛られない生のエネルギーにあふれた異空間だった。正式にカメラマンとしてライブの撮影を依頼されたユーイチはモモ(若葉竜也)たちと交流を重ねる。やがて彼らの音楽は瞬く間に若者たちを熱狂させ、そのムーブメントは“東京ロッカーズ”と呼ばれ、日本のロックを塗り替えていく。世界を変えたのは、才能だけじゃない。音に賭けた、名もなき若者たちの衝動だった。