ロック界の大御所ブルース・スプリングスティーン(76)が現地時間3月31日、今年1月に抗議活動中に米移民・税関執行局(ICE)職員によって市民2人が殺害された米ミネソタ州ミネアポリスで全米ツアー「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ・アメリカン・ツアー」をスタートさせた。
トランプ政権による移民取り締まりとイラン攻撃に対する露骨な批判で幕を開けた。
満員のターゲット・センターでEストリート・バンドと共に休憩なしで3時間弱の公演を行ったスプリングスティーンは、「私たちはアメリカの理想を祝い、守るためにここにいる」と観客に語りかけ、ソ連との冷戦を激化させたレーガン政権時代から歌い続けている反戦曲「ウォー」や「ボーン・イン・ザ・USA」など代表曲を熱唱。ICEによる強靭な移民政策に抗議する新曲「ストリート・オブ・ミネアポリス」を披露した際には、観客が携帯電話のライトを掲げて敬意を表すなか、「ICEアウト(出て行け)」と象徴的なフレーズを会場と一帯となって合唱する場面もあった。
スプリングスティーンは、「私が愛し、50年にわたって歌い続けてきたアメリカ、世界中の希望と自由の灯台となってきたアメリカは、今や腐敗し、無能で人種差別的で、無謀で、反逆的な政権の手にゆだねられている」と語り、トランプ大統領の名前こそ直接口にはしなかったものの「無能」と呼んで糾弾。「恐怖ではなく希望を、権威主義ではなく民主主義を、無法ではなく法の支配を、際限のない腐敗ではなく論理を、自己満足ではなく抵抗を、そして団結と平和を選ぼう」と語りかけ、団結を呼びかけた。(千歳香奈子)