テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)が3日、放送された。イラン情勢で事実上封鎖されたホルムズ海峡で足止めされているタンカー通過に向けた交渉のあり方をめぐり、金曜コメンテーターを務める元プロ野球選手でタレント長嶋一茂と、元同局社員の玉川徹氏との間で激論バトルが展開されるひと幕があった。
番組ではパネルコーナーで、ホルムズ海峡の封鎖による市民生活への影響や、通過イラン側との各国の交渉について、専門家の解説をまじえて伝えた。一部のアジアの国のタンカーは、ホルムズ海峡を通過している現状や、実際に通過したタイの外相になぜ通過できたのか聞いたインタビューの内容や、アジアの大国として日本に求められる役割なども報じた。
玉川氏は、タイ側が交渉窓口として、日本とも関係が深いイランのアラグチ外相の名前を挙げたことについて「日本とイランの特別な友好関係に基づいて、アジアの代表として交渉し、日本が通るのが大前提ですが、日本以外の国も通してほしいと日本政府がイランに伝える道があるということを、こうやってタイから伝えられている」と指摘。「1日1隻でも日本のタンカーを通すことができたら、(石油供給に向けた現状の不安が)まったく違う状況になる」と述べ、「1日1隻でもいいから通して欲しいと。できれば、日本が交渉し、アジアの国々も通してほしいという枠組みをつくれないかと、イランとまさに外交をしてやるべきです」と主張した。
一方、一茂は「アラグチ外相と、そういう交渉ができるならぜひやっていただきたいが、日本はアメリカと同盟国であり、日本が指導力を発揮し国際世論を巻き込むというところが、得策かどうかですよね」とした上で、「(日本政府が)日本国だけのために交渉して動線を確保するのはいいけれど、それを諸外国も巻き込むという見え方はアメリカに対してどうかなと思っている。そこは(過度に)やらない方がいいのかなと思う」と持論を述べた。
これに対し、玉川氏は「いや、そんなことないでしょ」と反論。「日本だけじゃなく多くの国がホルムズ海峡を通れるようになれば油の値段は下がる。今、トランプ大統領にとっていちばん困っているのは、油の値段が上がっていること。むしろ、そういう風な言い方をしていっぱい(タンカーが)通れるようになれば油の値段は下がる。日本は多くの国といっしょに、通れるようにしますよ、アメリカのために、と言えばいいだけの話ですよ」と述べた。
一茂は「だったら、すぐに戦争をやめりゃいいじゃないですか」と玉川氏に反論。「だれが?」と問う玉川氏に「トランプが戦争をやめたら…」と述べる一茂氏に、玉川氏は「やめないじゃないですか。やめないのが大問題なんですよ」と言い返した。
MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が、解説で出演した東大公共政策大学院の鈴木一人教授に見解を求めると、鈴木氏は「おふたりがおっしゃっていることは意味があることだと思うが、日本が交渉したからといって、みんなが通れるわけにはならないのが大きなポイント。最終的には、戦争が終わらないとみんなが通れる状況にはならない」と指摘。一茂は「ですよね」と応じ「玉川さんのおっしゃっていることは分かるんですよ。理想論でね」と述べた。ここで「1回CMに…」と口を挟んだ羽鳥に対して「ちょっと、ここは言わせて。CMじゃなくて」と、さえぎるように発言を続けた。
一茂は「理想論はわかるんだけど、理想論で突っ込んで、アメリカとごちゃごちゃすることになったら、この間の日米外交は何だった、ということにもなっちゃう。まずは自国のことだけを考えるというのは、良くないかもしれないけれど、日本の国民はインフレやガソリン高で困っている。まずは日本だけ、ちゃんとやりましょうということをを言っている。それが波及して諸外国に行って、ガソリンの値段が最終的に下がった、という結果論だったらいいんだけど」と主張を続けた。
玉川氏は反論しかけたが、一茂は「いきなり理想論から言っちゃったら、現実は進まない」と主張し、玉川氏も「私の言っている方が現実ですよ」と、お互い持論を譲らずピリピリした雰囲気に。2人の言い合いは続いていたが、議論を見守っていた羽鳥は「CMいきます。CMいった後に話してください。CMいってください」と、なかば強制的にCMを入れた。
CM明けで放送が始まると、一茂は「さっきの玉川さんのお話、合点がいきました。日本のタンカーだけ入れても価格は世界市場なので下がらないから、各国を巻き込んでやるというのは、その通りだなと思いました」と理解を示した。一方で「日本のタンカー1隻だけでもホルムズ海峡を通せば、備蓄の期間は延長できる」と主張。羽鳥は「それは日本に関して。玉川さんが言っているのは、みんなでやったら、全体(の価格)が下がるということ」とフォローしたが、一茂は「最終的には、僕はどっちが先かなという考え方をしている。まずは日本国だろうと思っている」と持論を譲らなかった。
羽鳥が「一茂さんは日本のことを考え、玉川さんは、戦争をやめるために全体のことを考えて、(価格が)下がればやめるんじゃないかと。その違いというところですね」と2人の主張の違いを的確にフォロー。玉川氏は「戦争の終わり方によっては、戦争が終わった後も(ホルムズ海峡を)通れない可能性がある。アメリカの引き方によっては、イランがそのままホルムズ海峡を封鎖することもあり得るので、だから僕はずっと、イランを敵にしてはいけないという話をしている」と持論を主張。一方、一茂は「このままイランの被害が続けば、報復はずっと続く。戦争がいったん停戦した、終結したとアメリカが言っても、そこは考えてもらいたいということを、最後に言いたいですね」と訴えた。